「鉄道きっぷのオンライン予約」は便利だが課題も多い 各社のサービスを使って感じたこと
JR西日本もチケットレスに注力 特急券の種類によって割引の差も
近年はJR西日本もチケットレスサービスに力を注いでいる。 「J-WESTチケットレス」は関西圏の特急を中心に展開しているもので、スマートフォンの画面が指定席特急券代わりとなる。 例えば、米原―新大阪間の通常期は2390円を要するが、チケットレスサービスを利用すると1450円で、大幅に割り引かれる。ちなみに同区間の新幹線指定席特急料金の通常期は3060円で、時間がかかる分、低廉な料金でカバーする。 「eチケットレス特急券」はJ-WESTカード会員専用の特急券で、会員外でも購入できる「チケットレス特急券」とは、かなり差をつけている。 例として、新大阪―和歌山間を挙げると、普通車指定席のeチケットレス特急券は1090円、チケットレス特急券は1530円となる(右記の閑散期料金と同額)。通常期は1730円なので、割り引いていることが分かる。 新幹線接続の重責を担う快速〈マリンライナー〉にも適用され、eチケットレス特急券だと指定席210円、グリーン車470円。チケットレス特急券だと指定席330円(きっぷだと通常は530円、日によって330円)、グリーン車1000円(きっぷと同額)である。 いずれも乗車日当日の購入も可能で、急用などでの利用が容易にできる。 気になる点を2つ挙げよう。 1つ目はチケットレス特急券がほとんど割り引いていないこと。JR西日本はコロナ禍による大減収で、廉価なB特急料金を全廃して、A特急料金に一本化した。さらには一部の特急で全車指定席化に踏み切った。せめてeチケットレス特急券並みとはいかずとも、B特急料金に値引きにしてもよいのではないだろうか。 2つ目は山陽新幹線と在来線特急の乗り継ぎに関したチケットレスサービスがない。今後はえきねっとなども含め、チケットレスサービス限定で乗り継ぎ割引(2024年3月16日〔土曜日〕のダイヤ改正で全廃)を復活させるなど、より利用しやすい体制の構築を願いたい。