元手100万円が5億円に。仮想通貨で夢のタワマン暮らしを実現した26歳に憧れるも…「自分もそうなりたい」と安易に考えてはいけない〈恐ろしい理由〉
投機のほうがFIREする確率は高い
「今回で言う仮想通貨のように、時代の節目にはこういったケースが出現します。とりわけ、若い方が波に乗ることが多いですね」 「でもさ、これってさすがにギャンブルだよね!?」 「そうですよ。ハイリスク・ハイリターンに勝利したということです。他にも株の信用取引やFX等の投機で資産をすごく増やし、そこからFIREにシフトしていくケースはあります。少なくとも、智也さんのように毎月の給料をこつこつインデックス投資に回す、という方法よりはFIREをしている人の比率は高いです」 そんな……。僕が今まで学んできたことで、最もダメだと言われているのがこの「投機」だった。そんな一発逆転は考えずに、こつこつと積み上げようと、皆そう言っていた。リボ大の学長だってダメだって言ってた。 でも、現実問題それではFIREできず、投機のほうがFIREする確率は高いという。 ということは……。もしかしたら、今の自分に足りないのはリスクを取ることだったのかもしれない。このキラキラと輝くタワーマンションの一室を見ていると、よりその気持ちが強くなってきた。 うん、そうだ。確かに、ちまちまとインデックス投資で安全に増やそうとしていても埒(らち)があかない。複利の力はすごいが、僕がほしいのは豊かな老後ではない。豊かな若い時間なのだ。 世の中そんなに甘くない そうか、つまり長期投資とFIREは相性が悪いのだ。だってFIREするためには、若くしてたくさんの資産を作らないといけない。複利の力は時間が長ければ長いほど大きくなる。ある程度短い期間で成果がほしいなら、ギャンブルが必要なのかもしれない。 よし、完全に理解した。僕もこれから思い切って仮想通貨のトレードを勉強して……。 「ちなみに、投機にチャレンジして破滅する方や、生活が立ち行かなくなる方は非常に多いです。というよりも、そういう方が大半で、翔さんのような人はごくごくわずかな超レアケースです。失敗して、自ら命を断つ方も珍しくありません」 やっぱ、やめとこ……。 血の気が引いた。そりゃそうだ。世の中そんなに甘くない。 「実際のところ、投機で〝一発当てる〟レベルの人はそこそこいます。しかし、〝一発当てた上で生き残る〟人は本当に稀まれです。一発当てた人は、次も当てようとするし、段々と感覚も狂っていくので、そこのバランス感覚を保つのはとっても難しいことなんです。1億円稼いだのに、その後全て失って借金生活、みたいなことが普通にありえます」 つまり、ハイリスク・ハイリターンでお金をしっかり作り、それを資金に優雅な生活を送っている翔さんは、勝ち組の中の勝ち組ということだ。 「翔さんは、本当にラッキーなんだね。羨ましいよ」 「運の要素があるのは確かです。でも、ラッキーというのは違います」 「どういうこと?」
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