「社内で何が?」小林製薬「紅麴問題」2か月以上公表されなかったのはなぜ?自見大臣は厳しく非難「基本的な意識、知識、ガバナンスが欠如」
自見大臣「誠に遺憾」「安全への意識欠く」と糾弾
2か月もの期間を経ての公表と自主回収。この期間に販売した製品によりさらなる被害拡大が発生した恐れもあるが、果たしてこれは企業側だけの問題なのだろうか? 筆者は機能性標示食品のガイドラインで明確に報告基準が示されていなかったことにも、原因の一端があったとも考える。 消費者及び食品安全担当の自見英子大臣は7月26日、会見で小林製薬が2か月間に渡り、行政へ報告を行わなかったのは「誠に遺憾」などと厳しい口調で非難した。 (自見英子消費者及び食品安全担当大臣)「独自の判断のもとに、健康被害情報を入手してから行政機関への報告までに約2か月を要したことは誠に遺憾でございます。医師から腎疾患腎疾患に関する症例報告があったにもかかわらず、消費者に対する注意喚起も行わなかった。食品の製造を行う企業として、食の安全と安心の確保といった基本的な知識、意識、ガバナンスいずれも欠如していたと言わざるを得ません」
自見大臣「改善すべき点あった」ガイドラインも見直しへ
筆者は自見大臣の就任以来、定例会見にはほぼ毎回出席しているが、自見大臣がここまで強い言葉を使い非難するのは稀である。 筆者も含め、複数の記者から従前の機能性標示食品のガイドラインにおける健康被害報告基準が曖昧だったことにも、問題があったのではないか?と問われると自見大臣は次のように回答した。 (自見英子消費者及び食品安全担当大臣)「届け出者が評価を経て報告をすることとなっているものの、健康被害の発生の未然防止および拡大防止をはかるというガイドラインの趣旨に鑑みますと、行政への報告が2か月を要したということは適切ではなかったと考えてございます。一方で趣旨が必ずしも明確ではなく、また健康被害の情報提供が食品表示基準における遵守事項となっていないなど現行のガイドラインに改善すべき点があったということも認識してございます」 機能性標示食品制度をめぐっては、政府は5月31日の関係閣僚会合で因果関係が不明であっても、速やかに当該情報を都道府県知事および消費者庁長官に提供することなどとする対応方針を取りまとめており、施行に向けた準備が進められている。このような事態を二度と引き起こさないため、企業側と行政側、双方において万全な再発防止策を講じることが求められる。 報道情報局東京報道部 記者 尾藤貴裕