愛知の「雑煮」が変化 伝統野菜の「もち菜」が「小松菜」に 温暖化などの影響か正月に出荷できず
高木さんによると、この地域でも正月菜として売られているもののほとんどが小松菜に代わってきているといい、その結果、雑煮に小松菜を入れる家庭が多くなってきているとのことです。知らず知らずのうちに、もち菜から小松菜へ代わっている家庭もあるかもしれません。
伝統野菜の消滅は、地域特有の食文化の消滅にもつながる
もちろん、小松菜を入れても大きな意味で角餅と菜っ葉を入れているので、風習は守られ続けているともいえるといいます。ただ、愛知県の郷土料理に詳しい東海学園大学の安田教授は「伝統的な雑煮のかたちが変わってしまうのはとても残念なこと。もち菜はもちろん、伝統野菜は必要とされないと消費されないため、生産されず消滅してしまう」と危惧します。
伝統野菜の消滅は地域特有の食文化の消滅にもつながってしまう――。そうならないためにも「まずは雑煮の特色やもち菜を含む伝統野菜について知ること。そして郷土料理を作ってみることが大切だ」と、安田教授は話していました。 店頭で見かけることが少なくなってきている「もち菜」ですが、大府市にある「げんきの郷」などでは、12月27日・28日から販売開始予定です。長く続く郷土料理であるからこそ、「もち菜」を見つけた際には、積極的に雑煮に使ってみてはいかがでしょうか。
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