箱根路初V&3冠狙う国学院大監督「大学駅伝の勢力図変えたい」…駒沢大・青山学院大は阻止に自信
来年1月2、3日に行われる第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で、国学院大が出雲全日本大学選抜駅伝、全日本大学駅伝に続く3冠を目指す。駅伝シーズンを通して主役の座を守り続けるか、ライバル校が史上6校目の偉業阻止を果たすか、注目が集まる。(西口大地、井上敬雄) 【図】一目でわかる…これまでに大学駅伝3冠を達成した5校
長い距離に定評
国学院大と言えば、駒大出身の前田康弘監督のもとで無名選手が地道に長い距離を走り込んで力をつけ、駅伝は出雲より全日本、全日本より箱根と、区間距離が伸びるほど勝負できるチームという印象が強かった。
しかし2019年の出雲初優勝を機に、現4年生の平林清澄、山本歩夢らスピード豊かな高校トップ級の人材が集まり始め、距離が最も短い出雲でも上位に定着。今季は5年ぶり2度目の優勝を飾ると、続く全日本も初優勝を果たした。
前田監督は「長い距離なら安定して戦えるというイメージをぶっ壊したいと、ずっと思っていた。強さを証明できた」と胸を張る。
元々得意とする長い距離での強さも健在だ。今大会のエントリーメンバー16人のうち、ハーフマラソンでは1時間0分43秒の学内記録を保持する山本をはじめ、9人が1時間3分を切る自己記録を持つ。各区間がハーフと同等の距離となる箱根では、その持ち味が一段と光るだろう。
平林らが最上級生となる今季を見据え、長期計画で強化を図ってきた指揮官は「うちにはまだ毎年優勝争いをできる力はない。チャンスをものにして、大学駅伝の勢力図を変えたい」と宣言。常勝軍団への躍進を目指し、強い決意で臨む。
「挑戦者として臨める」
出雲、全日本で2位に入り、「ストップ国学院大」の1番手に位置する駒大にとっては、雪辱の舞台となる。前回は史上初の2季連続3冠に王手をかけながら2位と涙をのんだ。主力の卒業で戦力低下が予想された今季も底力を示しており、藤田敦史監督は「今回はチャレンジャーとして臨める。秋の2戦を進める中で、チームが自信をつけてきた」と前向きに語る。