エナジードリンク市場で圧倒的な存在感をもつ「モンスタービバレッジ」の強さの秘密
5. モンスタービバレッジとレッドブルの顧客層の違い
モンスタービバレッジとその最大の競合であるレッドブルは、エナジードリンク市場で確固たる地位を築いていますが、両社がターゲットとする顧客層には微妙な違いがあります。 モンスタービバレッジは、特に若者やアクティブなライフスタイルを追求する消費者をターゲットにしており、エクストリームスポーツ愛好者、音楽フェスティバル参加者を中心とした熱心なファンベースを持っています。 そのため、モンスターエナジーはブラックを基調にした刺激的なデザインや、大胆で目を引く「M」のロゴを採用し、強い個性を打ち出しています。このビジュアルとスポンサードするイベントの選定により、冒険心旺盛で刺激を求める若年層から熱烈な支持を得ているのです。 一方、レッドブルはより幅広い顧客層を意識しており、特に社会人やビジネスパーソンにも愛用されています。レッドブルはスポーツイベントや航空ショーのような刺激的な場面でのマーケティングにも力を入れつつ、「翼を授ける」というキャッチフレーズでエナジードリンクを日常のエネルギー補給飲料としての位置付けも強調しています。 そのため、レッドブルの製品は、モンスタービバレッジとは異なる印象があり、日常のパフォーマンス向上を求めるビジネス層や幅広い年齢層に受け入れられています。 このように、モンスタービバレッジが若者向けのアクティブで刺激的なライフスタイルに強く訴求するのに対し、レッドブルは日常の活動や仕事での集中力を求める幅広い顧客層に向けて、エナジードリンクの利便性をアピールしています。
おわりに
モンスタービバレッジは、その革新的なマーケティング戦略と独自のブランドイメージにより、エナジードリンク業界で突出した存在感を持つ企業です。特に若年層を中心に高い支持を得ており、今後も市場拡大と株主還元の両立を目指す姿勢が期待されています。一方で、健康志向やサステナビリティに対する消費者の意識が高まる中で、同社がどのように対応していくのかが、今後の成長を左右する要素となるでしょう。 今回は米国企業注目シリーズとして「モンスタービバレッジ」をご紹介させていただきました。 文//鈴木林太郎
@DIME編集部