TikTok Shop 、エージェンシーによって分かれる評価:インフラ整備や模造品など普及への課題も
TikTok Shopがそのプラットフォーム上での存在感を高めるにつれ、インフルエンサーエージェンシーはこのプログラムに伴う成長痛を経験している。 TikTok Shopは2023年5月に一部ブランドとともにソフトローンチし、9月に公式に運用が開始された。現在TikTok Shopの加盟店は20万社で、アフィリエイトプログラムを通じて販売を行うクリエイターは10万人にのぼる。その結果、多くのブランドはクリエイターエージェンシーと協力し、クリエイターエージェンシーがTikTok Shopにおけるインフルエンサーの契約、報酬、キャンペーン戦略を管理している。クリエイターエージェンシーによると、TikTok Shopは自分たちのクライアント(クリエイター)がブランドと提携できる魅力的で新しいチャネルだという。しかし、TikTok Shopのアフィリエイトが成長するなか、技術的なインフラの問題や面倒なオンボーディングプロセスなどの障害により、一部のクリエイターはいまだに参加できていない。
インフラ整備や偽造品問題も TikTok Shop普及への課題
2023年のホリデーシーズンは、TikTok Shopにとって初の大きなテストとなった。TikTokによれば、ブラックフライデー(11月24日)やサイバーマンデー(11月27日)の1週間で、約15万人のクリエイターや売り手が、ショッパブルな(買い物できる)動画や、ライブショッピング配信を公開した。その週末にTikTok Shopで買い物をした新規顧客は500万人を超え、その結果、ショッパブルなライブ配信や動画の再生回数は合計で228億回に達した。 一部のブランドは非常に良い結果を報告しているものの、マーケターは依然として、このプログラムの一連のツールを使いこなすのは難しいと感じている。TikTok Shopを通じて販売するには、ブランドは承認済みのクリエイターか、TikTok Shopのアフィリエイトプログラムのメンバーと協力する必要がある。 インフルエンサーマーケティングエージェンシーのバターミルク(Buttermilk)創設者であるジェイミー・レイ氏は、TikTok Shopについて、現時点では「UIが少し安っぽく感じるが、プラットフォームが進化するにつれ改良されることを期待している」と話した。バターミルクはさまざまな規模のインフルエンサーを数百人管理しており、インフルエンサーがブランドとつながり、有料のソーシャルキャンペーンを行うのを支援している。これにはTikTokの有料広告も含まれるが、インフルエンサーであるクライアントと協力してShopをテストするのにもう少し時間をかけている。 「結局のところ、ブランドが時間やエネルギー、リソース、資金を費やしたいと思うような環境をTikTok Shopが作り出せば、ソーシャルコマースの新たなスタンダードになる可能性がある」と、レイ氏は言う。「しかし、成功のためにはクライアント、エージェンシー、クリエイター、そして消費者が、さまざまなことに対処する必要がある」。 対処の必要があるものには、テックやインフラが含まれ、オープンベンダー形式、偽造品、価格設定、アルゴリズムなどに懸念があると、レイ氏は言う。バターミルクはディオールビューティー(Dior Beauty)やスワロフスキー(Swarovski)などのラグジュアリーブランドのキャンペーンに取り組んでおり、トップブランドやタレントと協力することを優先事項にしている。「現在、このプラットフォームには大量の偽造品やコピー品が出回っている」とレイ氏は指摘した。