右肘手術の広島・栗林 キャッチボール再開秒読みも「1月に投げ始める」 九里の移籍は「さみしさしかない」
広島の栗林良吏投手(28)が14日、広島県安芸太田町にある山県警察署の一日署長を、海外FA権を行使して12日にオリックスとの合意が発表された九里亜蓮投手(33)とともに務めた。今オフに右肘を手術した守護神は順調な経過を明かし、リハビリの“スピード順守”を徹底していく心構えを披露。チームを去る九里に対しては惜別の思いを募らせた。 焦りは禁物-。我慢とゆとりの心で復活ロードを“ドライブ”していく。自身初めての右肘手術から約2カ月が経過した。栗林は現在の状況について、「あさって(16日)の病院の診察で、『キャッチボールをしていいよ』って言われたら次の段階に行くだけ。もうそこまで来ています」と明るい表情で明かした。 今オフはシーズン終了直後に『右肘関節鏡視下骨棘(こっきょく)切除術』を受け、リハビリをスタートさせた。ここまではノースローで調整してきた中、年内にもキャッチボール再開のゴーサインが出る可能性が高い。それでも「投げる準備はしますけど、1月に投げ始める。そんなに自分としては慌ててないです」と泰然自若の姿勢をにじませた。 ボールを投げることができなかった分、ここまでは下半身のウエートトレーニングとランニングに注力。「12月は今までそんなに球場に行く機会がなかったけど、今年はリハビリでたくさん球場に行けた。12月は例年よりは実際に動いている日数が多いと思っています」。まずは手術前の状態まで戻して、さらなる上積みも見据えている。 この日は一日警察署長を務め、SNS詐欺被害の防止や交通安全の啓発にも一役買った。雪道での運転ではスピードの出し過ぎなどが事故を招くことを再確認した中、自身のリハビリ速度にも着目。「例えば『ちょっとボールを投げたい』という感情が出た時に投げない、我慢することが大事だと思っている。焦らないというよりは我慢するようにしています」と心得を明かした。 また、一緒に登壇した九里のFA移籍についても言及し、「亜蓮さんから電話をもらいましたし、『ああ行ってしまうんだ』っていうさみしさしかないです」。4年間チームメートとして、トレーニング法や変化球についてなど、技術的なところを数多く学んできた存在なだけに、惜別の思いが募った。 先輩も抜け、守護神としてさらに責任が増す。「開幕にしっかり(自分の)名前が入ることが一番」と改めて照準を定めた。開幕という“目的地”まで安心安全のリハビリでたどり着いてみせる。