<上海だより>文芸的な道、紹興路を歩く(1)レスリー・チャン生誕60周年
今でも語り継がれる名曲『我』、そして全衣装をジャン・ポール・ゴルチエが担当して話題になったワールドツアー『熱・情演唱会(パッション)』など、2000年はレスリーにとって重要な一年でした。そのツアーに合わせて製作された写真集『慶』の中の一枚に、窓際のソファーにもたれながら本を読む彼の姿があるのですが、それはこの「漢源書店」で撮影されたものです。上海公演を夜に控えたレスリーが、午後の休息としてこのカフェで読書を何時間も楽しんでいたそうです。
レスリーゆかりのこの店は、中国人ファンたちにとって聖地の一つでもあるようです。ファンたちのメッセージが店員によって大事に保管されています。一つ一つのメッセージはなかなかの長文が多く、レスリーが死後もファンからどれほど愛されているか、彼の存在が中国においてどれほど重要かを感じることができます。 2013年は没後10周年で、若くして逝去したレスリーを大々的に偲んだ1年でした。そして今年は生誕60周年であり、4月1日は彼の命日です。おそらく2013年ほどの盛り上がりはないかもしれませんが、ファンにとっては大事な1年となるでしょう。そんな想いを馳せながら彼と同じソファー席でコーヒーを飲み、読書を楽しむ、そんな文芸的な上海の午後を楽しめるのが紹興路の魅力です。