17軒の“事故物件”に住んだ芸人が語る、本当に恐かった話「家賃500円の物件で、なぜか一家全員が…」
殺人現場であやうく閉じ込められそうに…
――今まで住んだ物件の中で、一番印象に残っているのはどこでしたか? 松原:14軒目となる、弟が兄を撲殺して、弟も自殺したという一軒家です。機動隊が突入する騒ぎにもなりましたが、検死後1年ほど放置されていました。きちんと清掃やリフォームをする前の短期間住むことになりました。入居時は、玄関にいきなり乾いた血が残っていて、室内のほうぼうに血痕が飛び散っているようなところです。 また、2階のトイレに大きな収納スペースらしき小部屋が併設されていました。最初の頃は電気も通ってなかったので、懐中電灯を持ってそこに入りました。見ると、壁じゅうに手形がついていました。 そこに入って扉を閉めたら、内側からは開けられないことに気づいて、焦りました。扉の隙間のラッチに細いものを差し込んで、なんとか開けられたのですが、あのときは幽霊とは別の意味で恐怖心にとらわれました。3か月住んで結局、心霊現象自体はなかったのですが、惨劇の後とは、こういう状態なのかと心に迫るものがありました。
なぜか家賃が500円の物件にて…
――『事故物件怪談 恐い間取り』シリーズには、他の人たちが住んだ事故物件のエピソードもいろいろ書かれていますが、ひときわ恐かった話を1つ挙げていただけますか? 松原:3か月限定で月々の家賃が500円という3LDKのマンションです。母親と、長男、長女、次女、次男という家族構成で、長女から聞いた話です。長女は嫁いで別の家に住んでいたので、母親と3人の子が入居しました。 もともと母親は、病気で入院していました。退院しても自宅介護が必要な状態で、資金難であるなか即入居したのですね。でも入居数日で母親は、容体が悪化して亡くなりました。残る3人で住み続けたのですが、男性の唸り声が聞こえるなど怪奇現象が頻発しました。 さらに、お酒をまったく飲まない40代の長男が、飲酒するようになり、キャバクラにも通うなど豹変しました。なんかヘラヘラして、まともに会話もできなくなったそうです。ある日、その長男がトラックにはねられ頭を打ち、病院に運ばれました。事故の影響がないか脳を検査すると、80代の高齢者のように萎縮していると診断されました。 とりあえず生活には支障はないとのことで退院しましたが、ほどなく転勤して家を去ります。