北米で『ツイスターズ』がディザスターパニック歴代1位のオープニング成績を樹立!4DXでも新記録を達成
先週末(7月19日から7月21日)の北米興収ランキングは、デイジー・エドガー=ジョーンズとグレン・パウエル、アンソニー・ラモス共演の『ツイスターズ』(8月1日日本公開)が初登場で首位を獲得。タイトルからも分かる通り、近年では珍しい1990年代ハリウッド大作のにおいがぷんぷんする典型的ディザスター映画なのだが、その初動成績が想像以上の滑りだしとなっている。 【写真を見る】『インサイド・ヘッド2』も新記録!アニメ映画の全世界興収歴代No. 1に 初日から3日間の興収は8121万ドル。これは2024年公開作としては『インサイド・ヘッド2』(8月1日日本公開)と『デューン 砂の惑星PART2』(24)に次ぐ第3位。なんとこのサマーシーズンの“2強”の一角である『怪盗グルーのミニオン超変身』(日本公開中)を超えてきたのだから驚きだ。しかもディザスターパニック映画としては、ローランド・エメリッヒ監督の『デイ・アフター・トゥモロー』(04)を上回り、歴代No. 1のオープニング成績を叩きだしたのである。 さらに平日も順調に数字を積み重ね、公開5日目に累計興収1億ドルを突破。閑散期が長く続いていたなかで突入した今年のサマーシーズンだが、6月以降の公開作で5本目の大台突破を達成。上位の順位が激しく入れ替わっていることも含め、活気が完全に戻ってきたといってもよさそう。ちなみに批評面も、「ロッテン・トマト」によれば批評家からの好意的評価は75%、観客からは92%と上々。映画の舞台オクラホマ州の隣アーカンソー州で育ったリー・アイザック・チョン監督は、娯楽映画でも大金星をあげたようだ。 このヒットの要因として、ラージ・スクリーン・フォーマットでの上映が大きな後押しになっていることが挙げられる。「Variety」の報道によれば、4DXでの週末3日間の売り上げは210万ドルと、これまでの最高記録だった『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(23)の157万ドルを大きく上回ることに成功。「Deadline」の報道によれば、週末興収の40%がIMAXを含めたラージ・スクリーン・フォーマットでの売上げとなっているのだが、すでに『デッドプール&ウルヴァリン』(日本公開中)にその大部分を奪われてしまっており、2週目以降は厳しい戦いが強いられるだろう。 一方、3週目にして首位の座を明け渡した『怪盗グルーのミニオン超変身』は、週末3日間で前週比56%の興収2443万ドルを記録し、週末段階で累計興収2億6000万ドルを突破。7月23日に『怪盗グルーのミニオン大脱走』(17)の最終興収を上回り、「怪盗グルー」フランチャイズでは4位に浮上。累計興収3億ドル突破も確実なものとしてきた。 そして『インサイド・ヘッド2』は6週目の週末3日間も1282万ドルを売り上げる好調をキープし、こちらも7月23日に公開40日目にして累計興収6億ドルに到達。この記事が出る頃には『インクレディブル・ファミリー』(18)を抜いて北米におけるアニメ映画歴代No. 1のヒット作となっていることが確定しており、それよりもひと足先に全世界でのアニメ映画歴代No. 1の座に上り詰めた模様。次なる照準は、北米と全世界両方で歴代ベストテン入りを果たすことだろうか。 文/久保田 和馬