「倫理観が低下したのかというと…」専門家が指摘する相次ぐ公務員の不祥事の背景 盗撮容疑で校長逮捕受け
11月3日、女性のワンピースの中を盗撮した疑いで富山市立小学校の校長が逮捕されるなど、今年に入って富山県内では公務員による不祥事が相次いでいます。公務員のコンプライアンスに詳しい専門家は「道徳・倫理観が低下したのかというと、必ずしもそうではない」と言います。公務員の不祥事が増えている背景とは。 【写真を見る】「倫理観が低下したのかというと…」専門家が指摘する相次ぐ公務員の不祥事の背景 盗撮容疑で校長逮捕受け 警察によりますと、3日に逮捕されたのは、富山市立小学校の校長の男(58)です。男は3日午後、靴の中に隠した小型カメラで女性のワンピースの中を盗撮した疑いが持たれています。 富山県内では今年に入って、公務員による不祥事が相次いでいます。1月から5月にかけて7人が逮捕されています。1月は立山町の公共工事を巡る官製談合事件で職員を逮捕。5月には県警の倉庫から手錠や拳銃入れを盗んだとして警部補の男が逮捕されました。 その後も不祥事は続き、6月から11月にかけて5人が逮捕されています。逮捕者は12人に上っていて月に1人以上の公務員が逮捕されている計算になります。 相次ぐ不祥事について、公務員のコンプライアンスに詳しい、公務人材開発協会の業務執行理事、鵜養幸雄さんは「公務員・教員の道徳・倫理観が低下したのかというと、必ずしもそうではない」と言います。 鵜養さんは今回のような盗撮事件については技術的に可能になったと話し、「自身の間違った欲求があり、この程度だったらそれほど社会に迷惑をかけないだろう、大したことではないと思ってしまうと、それが不祥事につながってしまう」と分析します。 不祥事が起こると市民の信頼を損ねることになり、損ねた信頼を回復しようと、各自治体は「綱紀粛正」の通知を出し、原因究明と研修がセットで行われると鵜養さんは言います。富山市教育委員会も今回の事件を受けて、各学校で教職員を対象とした綱紀粛正のための研修会の実施を呼びかけています。 しかし、綱紀粛正の通知が出ても不祥事が繰り返されたり、研修を受けた人たちから不祥事を起こす人が出てしまう問題があると鵜養さんは指摘します。
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