低姿勢で始まった兵庫・斎藤元彦知事の新県政 「職員間の分断」を懸念する声も
■早々に連携を表明した維新・吉村知事 日本維新の会の共同代表で、現在、代表選を戦っているさなかの吉村洋文大阪府知事は、斎藤氏の疑惑が噴き出ていた9月には、 「間違っていることは間違っていると素直に認めて、辞職すべきだ」 と、斎藤知事に辞職を求めていた。 斎藤知事が失職後の知事選に、維新は参院議員の清水貴之氏(維新を離党して無所属)を斎藤氏の「刺客」として立てたが完敗。 斎藤知事が再選を決めると、吉村知事は態度を変え、 「脱帽です。当選おめでとうございます」 というお祝いメールを送ったことを明かし、 「県民の皆さんが選んだ知事だから、連携していきたい」 と表明した。 そして21日には関西広域連合の会合で、吉村知事は斎藤知事の当選後、初めて顔を合わせ、握手を交わした。 維新の国会議員は、こう話す。 「不信任決議案に賛成した維新が、すぐに党として斎藤知事につくのは難しい。百条委員会の結果次第ではないか。ただ斎藤知事が先に新党に動いた場合は、吉村知事も連携可能とみているようだ」 7月の東京都知事選で元安芸高田市長の石丸伸二氏の「選挙参謀」を務め、石丸氏を2位に躍進させた藤川晋之助氏はこう話す。 「斎藤知事のSNS選挙のもとは石丸氏の都知事選です。石丸氏も斎藤知事の選挙戦、当選、政治姿勢には非常に興味を持ち、一致点も多いので、斎藤―石丸新党は十分にありえる。維新は衆院選、兵庫県知事選でも低迷したまま。吉村知事が2人の新党に加わることも考えられます。既成政党に打ち勝つにはそれくらい大きな仕掛けが必要だ」 (AERA dot.編集部・今西憲之)
今西憲之