【41発の礼砲は、最高の儀礼で迎えられた証し】両陛下の英国ご訪問は「歓迎ムード一色」だった〈ジャーナリストがいま振り返る、天皇陛下と雅子さまの訪英〉
真っ白な装いで歓声にこたえる雅子さまとカミラ王妃
――日英の国旗が沿道を飾り、おおぜいの人々が集まり手を振っていましたね。シルクハットをかぶったチャールズ国王と談笑する陛下、まるで揃えたかのような白い装いの雅子さまとカミラ王妃が、笑顔で歓声にこたえていらっしゃいました。この豪華なパレードで王室と肩を並べていらっしゃる陛下と雅子さまのお姿に、なんだか誇らしい気持ちになりました。 大久保さん:お二人にとっても馬車でのパレードは感慨深かったようですよ。パレードは本当に素晴らしく、関係者のみなさんに感謝したい、とおっしゃっていたそうです。 平成の1998年に、上皇陛下(当時は天皇陛下)と美智子さまが国賓として訪英されたときには、私も取材で同行していましたが、「ザ・マル」のパレードは非常に華やかで見栄えがしますね。 しかし、振り返れば1971年に昭和天皇と香淳皇后が国賓として訪英されたときには、パレードの最中に昭和天皇の乗った車にものが投げられるといったことがありました。第二次世界大戦のアジア各国での日本軍の行いに対する抗議でした。 上皇陛下と美智子さまの公式訪問の際には、元英軍兵士たちが、お二人の馬車が通る直前に後ろ向きになって背中を見せて、抗議の意思を表しました。 そういった、戦争の影を引きずっていた中で訪英したこともあったのです。でも、今回の陛下と雅子さまの訪問では、まったくそういったことはなく、歓迎ムード一色でした。 ――そんな歓迎の気持ちが、屋根のない馬車に表れていたのかもしれませんね。成熟した両国関係を象徴する光景で、日本と英国がともに華やかな雰囲気に包まれた素晴らしいご訪問でした。 キャプションは過去の資料をあたり、敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、その当時のものを使用しています。 バナー写真/JMPA 構成・文/高木香織
大久保 和夫
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