スズキ、10周年を迎えた「Vストロームミーティング2024」スズキ本社で開催 2025年は新会場で開催へ
スズキは11月10日、2輪のアドベンチャーモデル「Vストローム」ユーザーが集まるミーティング「Vストロームミーティング2024」を、静岡県浜松市にあるスズキ本社内で開催。2014年の初開催から10周年を迎えるイベントに、多くのライダーが集まった。 【画像】スズキ株式会社 代表取締役社長の鈴木俊宏氏 イベントには、MCを務める浜崎美保氏やノアセレン氏のほか、レーサーの津田拓也氏、冒険家の賀曽利隆氏と道祖神 前社長の菊地優氏が出演して、来場者との記念撮影やトークショーなどが展開された。また、同社代表取締役社長の鈴木俊宏氏も来場し、Vストロームが集まる駐車場エリアを見まわり、参加したライダーと交流しながら写真撮影などに応えていた。 イベントの開会宣言で鈴木社長は「第1回のVストロームミーティングが2014年の11月16日、非常に寒い中、実は本社じゃなくて本社前の駐車場で行なわれて、438名の方に来ていただいたと、ここがスタートです。10回を重ねるうちにコロナがあって自粛ということもあったわけですけども、実はコロナの間は今日お見えの賀曽利さん、セレンさん、そして僕もここへ来て、まさにここで焚き火を囲みながら、焼き芋を食いながら、Webで配信させていただいたという思い出もあります」と10年を振り返った。 そして、鈴木社長は「そして、昨年が1473名の皆さまにここに来ていただいたということです。本当に年々拡大させていただいたということを感謝申し上げたいと思います。その間にVストロームも5機種、8バリエーションと拡大することができました。先週ミラノショーに行ってきて、いろいろVストロームの話を聞いたのですが、もっと主張してもいいんじゃないのと、デザイン的にも頑張っていいんじゃないの、というような話も聞かせてもらいました。Vストロームを皆さんのアドベンチャーをともにする相棒として、もっともっと成長させていきたいと思いますのでご期待ください」との思いを語った。 ■ Vストロームのくちばしデザインの由来が明らかに 同イベントではVストロームシリーズのデザインについて語るトークショーも展開され、その中でスズキのチーフエンジニア 加藤幸生氏、アシスタントチーフエンジニアの東郷隼也氏、デザイナーの小川和孝氏が出演した。 現在、1000ccクラスの「Vストローム1050DE」「Vストローム1050」、800ccクラスの「Vストローム800DE」「Vストローム800」、650ccクラスの「Vストローム650XT ABS」「Vストローム650 ABS」、250ccクラスの「Vストローム250SX」「Vストローム250」と5機種、8バリエーションを展開しているが、燃料タンク前方からヘッドライトの先へと延びるカバーの形状が、鳥の“くちばし”を思わせるところが、現在のVストロームシリーズに共通するデザインとなっている。そのくちばしデザインは、ラリー用ファクトリーマシン「DR-Zeta」と、そのレプリカモデル「DRビッグ(DR750S/DR800S)」に由来することが紹介された。 Vストロームシリーズに共通するデザインの特徴について、デザイナーの小川氏は「皆さんの方がよくご存知とは思うんですけど、初期のVストロームシリーズというのは、実はくちばしもついていませんでしたし、ヘッドランプも左右に分かれたデザインになっていたんですね。で、そこからですね、ヘッドランプを真ん中に持ってきて、左右にエアインテークみたいなものをつけたり、くちばしをつけたりっていうのをやり始めたのが、この今あるシリーズなのです。なので、そこは狙ってやってるところではあるので、それぞれヘッドランプのデザインは違うんですけれども、実は共通したイメージを持ってもらえるように試行錯誤してます」と話した。 DEモデルの追加などオフロードイメージを高める展開について、小川氏は「Vストロームシリーズというのは、どちらかというとオンロード向けに開発されたという経緯がありますので、だんだんそこがオフロード色が強くなってっていうのは、世界的に見ても日本的に見ても、市場全体のお客さんの要望というか、そういう需要があったものですから、そういう要望に合わせて徐々に変化してきたっていう部分もあると思いますね。で、そういう意味で、くちばしデザインというのを採用した経緯として、より“オフロードイメージを強く打ち出していこうじゃないか”という、われわれの意思の表れでもあったのですね」と解説した。 トークショーでは、そのほかにも、細かい部品のチリ合わせから、配線、配管の取り回しまで、目に入るところはすべてデザイナーの手が入っていることなど、デザインの仕事について語られた。 小川氏は「Vストロームシリーズはもうスズキのラインアップの中でも各排気量にいろいろなバリエーションがあって、すごく成功したモデルシリーズになってるんじゃないかなと思います。真に通るコンセプトが共通してますので、皆さんもですね、機会があれば他の排気量であったり、他のバリエーションモデルであったりっていうのを比較的試しやすい、行きやすいカテゴリーじゃないかなと思いますで、引き続きこのスズキのVストロームシリーズをよろしくお願いいたします」との思いを語っていた。 また、トークショーのMCを努めたノアセレン氏からは、5機種、8バリエーションを展開するVストロームにおいて、250ccクラスの次は650ccクラスになることを指摘、「その間にもう一機種あるといいと思います」などと期待感も語られ、会場からも拍手が集まっていた。 ■ ニューモデル登場の予感? 2025年は会場を移して開催へ 閉会のあいさつで登壇したスズキ 二輪事業本部長 田中強氏は「今回、10回という1つの区切りを迎えられたこと、非常にうれしくひと安心ですが、この先の10年、これも皆さまの期待に応えられるよう、 Vストロームというブランドをしっかりと守りながら、着実な開発を続けてまいりたいと思っております。皆さま、今お乗りのVストローム、大事に乗ってくださって非常にありがたいんですが、新たなVストロームが出ましたらぜひとも次のVストローム、ご検討くださいますようよろしくお願いいたします」と、ニューモデルの登場を予感させるメッセージも残された。 また、今回の来場者数が1518名、来場二輪車が1173台となり、田中氏は「本社でのVストロームミーティング、スペース的にですね、このスペースに対して来場者が非常に多くなって、もう開催困難だなというふうに判断しております。次回からはより広い会場へ移って皆さまをお迎えしたいと思っておりますが、来年また皆さま、このVストロームミーティングに来ていただけますでしょうか」と来場者に呼びかけ、新たな会場でのイベント開催を約束した。
Car Watch,編集部:椿山和雄
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