《トランプ再選後の株式市場》高配当株投資の億り人・なのなのさん「石破政権で株価の大幅上昇は期待しにくい」 いま投資するならどうすべきか
事前の予想を超える圧勝となったドナルド・トランプ氏が大統領に返り咲くことから、金融市場では、為替が「円安ドル高」に進み、米国株は史上最高値更新。暗号資産(仮想通貨)の代表格・ビットコインも史上最高値更新に沸く。熱を帯びる「トランプ相場」だが、今後、どのような展開となるのか――。
現役のサラリーマンながら、高配当株投資によって1億8000万円超える総資産を築いた兼業投資家・なのなのさんはこう言う。 「日米の通商交渉次第という前提になりますが、トランプ氏が掲げる『米国第一主義』に対して、日本はどうしても受け身にならざるを得ないでしょう。10%の関税をかけられれば、日本の輸出企業にとっては大きなマイナスであり、楽観視できる状況にはない。 通商交渉も、これまでトランプ氏と親交のなかった石破茂・首相がどれだけ成果を出せるのか懐疑的にならざるを得ません。直近の決算で減益見通しが増えているように、足元の日本経済は踊り場を迎えている可能性もあり、“小休止”といったイメージが広がるのではないでしょうか。 ただ、株式市場をみると、株主還元策を打ち出す日本企業も増え、一方的に下がるとは考えにくい。日経平均株価でいえば、下は3万6000円から上は4万円というレンジ相場に当面は落ち着くのではないかと見ています。買いも売りも材料があるので、レンジのなかで上がったり下がったりを繰り返す。そんな相場が来年も続くかもしれません」
レッド・ウェーブで米国株に追い風
なのなのさんの見立てにおける日経平均の相場のレンジは「3万6000~4万円」と幅があるように見える。そうしたなかで、どのように投資していけば良いのだろうか。 「大統領のみならず米議会も上下院ともに共和党が多数派を占める“レッド・ウェーブ”となり、『米国第一主義』が強まるでしょう。そのことを考慮すると、最も上がりやすいと考えられるのは米国株です。一方で、石破首相が株価フレンドリーな政策を打ち出す期待は薄い。そもそも支持率と株価のパフォーマンスは相関関係にあるというデータもあり、支持率が低迷している石破政権では株価の大幅な上昇も期待しにくい。そう考えていくと、米国株が日本株をアウトパフォームしていく可能性は高いでしょう」 日本株に投資するよりも、米国株上昇の恩恵を受ける方法を考えるほうが、大きなリターンを手にする近道かもしれない。別記事〈現役会社員の億り人・なのなのさんが指南 トランプ再選で注目したい「5つの米国株ETF」と購入を避けたい日本株〉では、具体的にどんな選択肢があるのかを紹介している。 【プロフィール】 なのなの/兼業投資家。大学時代から投資歴20年以上。当初6年間は赤字だったが、高配当株をメインとした2008年以降は16年連続で黒字。2021年に1億円達成し、現在の保有資産は1億8200万円。著書に『月41万円の“不労所得”をもらう億リーマンが教える「爆配当」株投資』(KADOKAWA)。