【日本市況】株価反発、半導体上昇でアドテスト高値-円安、金利上昇
(ブルームバーグ): 9日の日本市場は株価が反発した。米国の半導体株上昇を受けて日本の関連株に買い注文が先行した。円相場は下落。
日経平均は上げ幅が一時500円を超えた。米国で景気先行き懸念が後退しつつあり、エヌビディアが5日連続の上昇。日本でも電気機器や情報・通信銘柄が買われてアドバンテストは上場来高値を更新した。同時に中国景気への期待が弱まって、株価指数は伸び悩む場面があった。円相場は下落、長期金利は上昇(債券価格は下落)した。
雇用回復で米経済は堅調さを取り戻し、日本株の追い風になっている。同時に連騰していた中国、香港株が下落に転じて指数の足かせになっている。米国の大幅利下げ観測は後退したが、金融政策を読む上で重要な9月の米消費者物価指数(CPI)を10日夜に控えている上、衆議院選挙と米大統領選挙を前に市場のボラティリィーが上がりやすくなっている。
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大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリスト兼テーマリサーチ担当は、台湾の鴻海精密工業会長の発言を含めて人工知能(AI)需要は強いとして、日本の半導体関連株は3月高値の信用期日明けで「AI祭り」「エヌビディア祭り」のような相場展開が期待できると予想した。
株式
東京株式相場は反発。米国市場で金利低下を受けてハイテク株が上昇したことから、国内でも連動しやすい半導体関連や電機、情報・通信など成長(グロース)株が上昇した。
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一方で、銀行、保険、自動車、商社などの割安(バリュー)株は低迷した。金利低下の影響に加え、中国株に息切れが見え始め、景気対策による中国景気の浮揚への期待が剥落していることも上値を抑える要因になった。
TOPIXは一時下落に転じる場面があった。野村証券投資情報部エクイティ・コンテンツ課の神谷和男ストラテジストは、中国景気に対する期待の後退が相場の重しになっていると指摘。「安川電機の下げが象徴している」と述べた。