【MLB】マリナーズがスコット・サービス監督の解任を発表 後任は球団殿堂入りの元捕手ダン・ウィルソン
日本時間8月23日、マリナーズはスコット・サービス監督の解任を発表した。日本時間6月19日の時点では2位に10ゲーム差をつけてア・リーグ西地区の首位を快走していたマリナーズだが、それ以降は急失速。タイガース3連戦とドジャース3連戦でスイープ負けを喫するなど、直近のロード9連戦は1勝8敗に終わり、ついに貯金がなくなった。サービス監督とともにジャレッド・デハート打撃コーチの解任も発表されており、サービスの後任となる球団21代目監督には球団殿堂入りを果たしている元捕手ダン・ウィルソンが就任する。 今季のマリナーズは3人のオールスター投手(ルイス・カスティーヨ、ローガン・ギルバート、ジョージ・カービー)と2人の若手好投手(ブライス・ミラーとブライアン・ウー)で強力な先発ローテーションを形成。リーグ1位の防御率を誇る投手陣を武器に、6月中旬までは地区首位を快走し、データサイト「ファングラフス」が算出するプレーオフ進出確率も90%を超えていた。しかし、徐々に打率リーグワーストの貧打線がチームの足を引っ張るようになり、トレード・デッドラインの補強後も状況は好転せず。地区優勝争いでは首位アストロズに5ゲーム差、ワイルドカード圏内からは7.5ゲーム差をつけられており、2年ぶりのプレーオフ進出は厳しい状況となっている。 現役時代にチームの正捕手として活躍したウィルソンはメジャーでのコーチ経験はないものの、マイナーでの指導経験は豊富で、スプリング・トレーニングではメジャーの選手たちとも良好な関係性を築いてきた。11人しかいない球団殿堂入りメンバーの1人であり、捕手としての通算出場試合数(1281)は球団史上最多。現役時代から将来の監督候補と目されていた人物であり、2022年にはマイナーAAA級の監督がコロナ感染で離脱した際に1週間だけ監督代行を務めた経験もある。チームのことを熟知している人物でもあり、その手腕に期待がかかる。 サービスはマリナーズの監督に就任して9年目のシーズンを迎えており、これは現役監督ではドジャースのデーブ・ロバーツと並んで2位タイの在任期間だった(1位はレイズのケビン・キャッシュ)。9年間で負け越したシーズンは3度だけで、2022年には球団21年ぶりとなるプレーオフ進出も達成。9年間で680勝642敗を記録した。ジェリー・ディポート編成本部長とは現役時代の2000年から交流があり、エンゼルス時代にはGM補佐としてディポートGMを支えた時期もあったが、そのディポート編成本部長によって解任の決断が下されることになった。