スキマバイト募集に「美容師求人」なぜ多い?「若手が居着かない」と深刻な人手不足に苦しむ現場の悲鳴 一方で「信用第一なのに“日雇い”でいいのか」の懸念も
「サロン側のブランディングになりづらい」
神奈川県内の美容室で店長を務めるBさん(20代・男性)は、スタイリスト歴5年。人手不足ではあるが、「スキマバイトは怖い」と慎重な見方だ。 「美容室はお客様の信用が第一です。『シャンプーだけ』とはいっても、お客様の髪に触れますし、店内にはたくさんの刃物もあるので、どこの誰かもわからないスタッフをその日だけ雇うわけにいきません。スキマバイトの募集内容を見ると、たしかに単純な仕事が多い印象ですが、とはいえリスクは避けられないと思います」(Bさん) Bさんの店舗では現在、女性スタッフ2名が産休・育休に入っており、「追加の人材はいつでも欲しい状況」だと明かす。それでも“スキマバイト採用”に乗り気でない理由に「そもそも、本当にスキルがある人や成長意欲がある人が応募してくるのか疑問」だと語る。 「美容師を一度辞めた人が『お小遣い稼ぎをしたい』とか、『ゆるく稼ぎたい』とかであればあり得るかもしれませんが、本気でやる気のある美容師は興味を持たないと思います。基本的に美容師は、お客様の喜ぶ姿を見て成長する仕事。コミュニケーションが不要な激安カット店ならともかく、日常的に“その日限り”のスタッフがいるのは、サロン側のブランディングを毀損するような気がします」(Bさん) スキマバイトのサービスが業界の内情に上手くフィットすれば、人手不足や人件費などの問題解消の一助になるかもしれないが、、そのリスクへの懸念から利用に踏みだせないジレンマを抱える美容室もあるようだ。