次世代パワー半導体新工場、第1期工事完了 マレーシアに1.1兆円投資 独インフィニオン
ドイツの半導体メーカー、インフィニオン・テクノロジーズが、マレーシア・ケダ州に建設しているSiC(炭化ケイ素)パワー半導体工場の第1期工事が完了し8日、開所式が行われた。第1期と2027年に完成予定の第2期を合わせた投資額は70億ユーロ(約1兆1200億円)。マレーシアのSiCパワー半導体工場は同社の次世代パワー半導体戦略の重要な拠点になる。 【関連写真】インフィニオンのマレーシア新工場 第2期工事が終わった時点で従業員は最大4000人を雇用予定。SiCパワー半導体用200ミリメートルウエハーの工場では世界最大規模という。新工場は、パワー半導体の分野で世界の主導権を握るには不可欠というのがインフィニオンの考えだ。 完成した第1期工場には20億ユーロが投入され、900人の技術者を雇用する。SiCパワー半導体以外にGaN(窒化ガリウム)エピタキシーも生産予定。 8日の式典で、インフィニオンのヨッヘン・ハネベックCEO(最高経営責任者)は「SiCのような次世代パワー半導体は、脱炭素と気候保護の実現には不可欠。EV(電気自動車)、太陽光、風力発電などでパワー半導体の利用を増やし、エネルギー効率の引き上げに貢献している」と述べた。 インフィニオンは、オーストリアのフィラッハにパワー半導体工場を構える。今後は両工場の連携を保ちながらパワー半導体の世界戦略を加速していく。
電波新聞社 報道本部