「住宅ローン」の支払いを2ヶ月滞納してます。「カードローン」を滞納したときは3ヶ月くらいなにもなかったのでまだ大丈夫ですよね?
住宅ローンとカードローンはどちらも借り入れという点では同じですが、滞納時の対応はそれぞれ異なります。住宅ローンのほうが滞納時のリスクが大きいため、できる限り避けなければなりません。最悪の場合、競売にかけられて家を失う可能性があります。 今回は、住宅ローンを長期にわたって滞納した場合のリスクについて解説します。 ▼住宅ローンは「繰上げ返済」すべき? メリットについて解説
住宅のローンを滞納するとどうなる?
住宅ローンを滞納した場合に起こるリスクは、以下の通りです。 ・遅延損害金の発生 ・個人信用情報機関に事故情報が載る ・期限の利益喪失が起こる ・自宅を競売にかけられて失う こちらでは、上記のリスクを含めた滞納時に起こることについて解説します。 ■支払いの催促が頻発する 口座残高が不足して返済日に引き落としができなかった場合、ローンを組んでいる金融機関から電話やSMS(ショートメッセージ)で支払いの催促が行われます。 基本的に、この時点で金銭的なリスクが生じることはほとんどありません。すぐに支払いに応じれば大丈夫です。ただし、支払い期日に厳しい金融機関であれば、たった1日の遅れでも延滞した分の利息を払わなければならない場合があります。 ■遅延損害金の発生 遅延損害金とは、現在のローンにかかっている利息より高い金利が、ペナルティとして元金に上乗せされることです。遅延損害金の発生タイミングは金融機関によって異なりますが、大体は滞納2ヶ月目以降から1日ごとに発生します。 遅延損害金の金利は元本に対して発生するため、借入金額の多い住宅ローンの場合、遅延損害金の金額も大きくなります。一般には年利14%前後で設定されているケースが多いようです。 ■個人信用情報機関に事故情報が載る 住宅ローンの返済をおよそ2ヶ月以上滞納すると、金融事故を起こしたとして個人信用情報機関に事故情報が掲載されます。これは一般的に「ブラックリスト」と呼ばれるもので、一度登録されると最低でも5年以上は情報が掲載され続けます。 新しくローンを組んだりクレジットカードを作ったりする際、審査に落ちやすいため、今後の支払いに大きなハンデを背負ってしまうでしょう。一度登録された情報は保管期間が終了するまで残り続け、こちらから消去はできません。 ■期限の利益喪失が起こる 期限の利益喪失とは、現在借り入れを行っている金額の分割払い契約が解除され、残金の一括払いが発生することを指します。 本来であれば、住宅や車といった大きな買い物における借り入れでは、借りた分のお金を一括して払わなければなりません。しかし、ローン契約で「期限の利益」を適用することで、特別に分割払いが認められているのです。 そのため、長期滞納によって期限の利益喪失が起こると、現時点で借り入れを行っている元本と遅延損害金を含めた総額を、一括して支払わなければならなくなります。 期限の利益喪失が起こる期間はだいたい滞納開始から6ヶ月程度といわれていますが、事前の通知は早ければ2ヶ月程度で送られてくることもあります。 ■自宅を競売にかけられて失う 住宅ローンが残っている状態でおよそ8~9ヶ月程度滞納すると、ローンを借りた金融機関または保証会社から、裁判所に対して競売の申し立てが行われます。これが裁判所に受理されると、使用状況にかかわらず対象の不動産を差し押さえられ、強制的に売りに出されてしまいます。 競売にかけられた時点で退去を求められるわけではありませんが、対象の不動産の買い手がつくと、一定期間後に自宅の家財や移転先の有無にかかわらず退去させられます。
滞納しない返済額に抑えることが大切
住宅ローンはマイカーローンやカードローンと違って、期間の延長が難しい返済です。何か月も支払わずにいると、最悪の場合は自宅が差し押さえられる可能性があるため、支払い遅延は可能な限り避けなければなりません。毎月の支払いが滞らないようにするためには、無理のない返済金額でローンを組む必要があります。 住宅ローンは滞納した場合のリスクがほかのローン契約よりも大きいため、他の支払いよりも優先度を高くしておきましょう。 出典 最高裁判所 期限の利益の喪失について 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部