敗れた藤井聡太前叡王、全8冠から7冠後退に「時間の問題だと思っていた。糧にしてまた頑張っていきたい」/将棋
将棋の藤井聡太叡王(21)=8冠=が20日、甲府市の常磐ホテルで指された第9期叡王戦五番勝負第5局で後手の伊藤匠七段(21)に156手で敗れ、対戦成績2勝3敗で初めてタイトルで敗れた。昨年10月11日に史上初の全8冠を独占したが、8冠時代は253日でストップした。 【写真】日本酒を飲んだ藤井聡太氏「すごく辛くてびっくり」 対局は得意の先手角換わりを採用し、優位に攻め続けていたが、伊藤七段が反撃。王手ラッシュで粘るも最終盤は肩を落とし、がっくりうなだれた。午後6時32分、投了。同学年棋士に約3年間名乗った叡王位を明け渡した。 投了直後、険しい顔で左を向いた藤井前叡王だったが、インタビューでは落ち着いた口調。22連覇中だったタイトル戦で初めて敗退した。「それは時間の問題だと思っていたので、気にせずにこれからもまた頑張っていきたい。やはり叡王戦でも伊藤さんの実力を感じるところが多かったので、私自身も実力を高めていけるように頑張らなければいけない」。シリーズは先勝から連敗、カド番をしのいでのフルセットとなったが、「終盤でミスが出てしまう将棋が多かった。それと同時に伊藤さんの力を感じるところも多くあった」と振り返った。 その後、大盤解説会場のファンの前でもあいさつし、「糧にしてまた頑張っていきたいと思います」と誓った。