「ナイスステップな研究者2023」に気鋭10人、多彩な分野で成果
文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP、ナイステップ)は、科学技術イノベーションのさまざまな分野で活躍している研究者10人を「ナイスステップな研究者2023」に選定した。現代の課題に密接に関わる研究など多岐にわたる分野で、社会に成果を広く還元している人物を選んだという。 活躍が期待される若手研究者を中心に、AI(人工知能)、宇宙、生物などの分野の、さまざまな社会課題に携わる人材が選出された。
専門家約1600人への調査などにより、最近の活躍が注目される研究者を抽出。研究実績に加え、人文・社会科学との融合などの新興・融合領域を含めた最先端の画期的な研究内容、産学連携・イノベーション、国際的な研究活動の展開などの観点から、NISTEPの所内審査を経て10人が決まった。
ナイスステップな研究者は2005年に開始。過去に選ばれた人物には、後にノーベル賞を受賞した山中伸弥氏や天野浩氏がいる。
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選定された研究者と研究内容は次の通り。敬称略。所属は公表の15日時点。
秋葉拓哉=Stability AI Japanシニア・リサーチ・サイエンティスト「大規模機械学習基盤の研究と開発」
浅川純=Pale Blue共同創業者兼代表取締役「『水』を用いた小型衛星向け推進機の開発 持続可能な宇宙開発の実現へ」
天野達也=オーストラリア・クイーンズランド大学環境学部上級講師、同大生物多様性・保全科学センター副所長「学術界の多様性を促進し、生物の多様性を保全する」
牛久祥孝=オムロンサイニックエックス・プリンシパルインベスティゲーター「視覚と言葉を繋ぐ『ビジョン&ランゲージ』の研究開発と応用」
熊谷誠慈=京都大学人と社会の未来研究院教授「古代の智慧(ちえ)とテクノロジーの融合による『伝統知テック』の研究開発」
粉川美踏=筑波大学生命環境系助教「食品や生体試料をそのままの状態で計測する技術」