“国産”のヨーロッパ野菜はなぜ作られたのか? イタリア料理店がじわじわ注目
ラジオ番組「上柳昌彦 あさぼらけ」内コーナー『食は生きる力 今朝も元気にいただきます』(ニッポン放送 毎週月・金曜 朝5時25分頃)で、ヨーロッパ野菜を特集。さいたまヨーロッパ野菜研究会・会長で、埼玉県内で複数のイタリアンレストランを経営する北康信さん、作物の出荷団体である株式会社FENNELの代表取締役で、農家としてもヨーロッパ野菜を中心に生産している森田剛史さんをゲストに迎え、ニッポン放送・箱崎みどりアナウンサーが、ヨーロッパ野菜の魅力、レストランが国産のヨーロッパ野菜を求める理由を聞いた。
ヨーロッパ野菜とは?
箱崎:ヨーロッパ野菜は、普通の野菜となにが違うのですか? 北さん:イタリア料理で使われる野菜で、主に、地中海沿岸で栽培されている野菜という風にイメージしていただければと思います。基本的には、とても色鮮やかで、味も濃く、野菜が主役になれるような特徴となっています。 皆さんにも聞き馴染みがあるもので言うと、「ロマネスコ」「ケール」、ボルシチなどで使われる「ビーツ」などがあります。「ラディッキオ」という野菜は“チコリ”の赤いタイプのものなんですが、今はスーパーとかコンビニでも見ることができます。 箱崎:たしかに、目にする機会が増えてきたように感じます。 北さん:2009年に、私たちのヨーロッパ野菜研究会のメンバーでもある、トキタ種苗という会社さんがイタリアの野菜の種を販売することになったんです。そこから、日本各地でヨーロッパ野菜が作られるようになった経緯があるので、その辺りが創世期の節目だと思っています。
イタリアの野菜「チーマ・ディ・ラーパ」
箱崎:春先の旬のものというと、どんなヨーロッパ野菜があるんですか? 北さん:「チーマ・ディ・ラーパ」という西洋ナバナが、真冬から春先までにかけての野菜で、とてもおいしいですよ。 森田さん:チーマは「先っぽ」、ラーパが「かぶ」という意味なので「株の菜の花」というイメージです。 箱崎:どういう料理に使うのでしょうか? 森田さん:イタリアだと、茹でてオリーブオイルとレモンをかけて、そのまま食べます。他にも、煮崩れるぐらいグズグズに煮込んで、魚介類などと合わせると、すごく食べやすくておいしい野菜です。 箱崎:日本の菜花はちょっと苦いイメージですが、チーマ・ディ・ラーパはどうですか? 森田さん:そうですね、苦味も若干強いですが、その分、風味や味も強いです。食材のおいしいダシを吸って、魚介類に風味を与えるので、その相乗効果が素晴らしいと思っています。