地震発生前にしておくべきこと5つ。避難のため「部屋の片づけ」も大切
地震は突然やってくるもの。しかし、あなたと家族の命を守るために、準備は可能です。防災システム研究所所長の山村武彦さんは、防災は『段取り8分』と言います。非常用持ち出し袋の確認や、家具や家電の固定など地震発生前にしておくべきことを5つ教えてくれました。
逃げる防災ではなく闘う防災を心がけて
「地震発生時に取るべき行動は、地震の性質や発生時刻・時季、場所によって異なります。しかし、どのような場合でも、自分の身を守ることが最優先です」 そう指摘するのは防災システム研究所所長の山村武彦さん。 「ただ、地震発生後にできることは限られるので、命を守るためには事前の備えが不可欠。防災は『段取り8分』なんですよ」(山村さん、以下全て) 備蓄品を用意したり、「安全ゾーン」を家の中につくったり、その家に応じた対策が命を守る行動につながるのです。 「『安全安心は自らつくるもの』という意識をもって、日頃から備えてください」
1.非常用持ち出し袋は年に4回、点検する
水や食品の消費期限の確認、暑さ・寒さ対策グッズの入れ替えなど、非常用持ち出し袋は定期的な見直しが必要です。 「季節の変わり目、あるいは『防災用品点検の日』に指定されている3月1日、6月1日、9月1日、12月1日に点検を!」
2.家と居住エリアの安全性を調べて対策を考える
「2000年基準」施行前(2000年6月1日以前)に建てられた建物は、耐震性が不十分な場合があるそう。 「家の耐震性能を確認し、必要であれば耐震改修を。液状化や崖崩れ、津波など居住エリアのリスクも把握し、発災時に取るべき行動を考えましょう」
3.お互いに近所で助け合える環境をつくる
「なにかあったときに声をかけ合い、近くに住む人とお互いに助け合う『互近助(ごきんじょ)』の関係は、被災時に大きな力になります」。 日頃からあいさつを交わし、ほどよい距離感でご近所づき合いをして関係を築いておきましょう。
4.家具・家電・窓ガラスの地震対策をする
家具や家電は「天井につっぱり棒」×「両側にL字金具」のように複数箇所を複数器具で固定し、窓や室内のガラスには飛散防止フィルムをはりつけて対策しましょう。 「迅速な避難のためには、部屋の片づけも大切。合言葉は『命捨てるな、もの捨てろ』」
5.家族で防災会議をする
発災時の行動や避難経路、離れ離れで被災したときの連絡方法や合流場所などは、家族で決めておきましょう。 「具体的に想定することで、いざというときに、命を守る行動を取ることができます」 ESSE6月号では、「直下型地震」が発生したときに取るべき行動を、時系列&パターン別に解説しています。正しい知識で身の安全を守りましょう!
ESSE編集部