“問題のNスペ”でNHKの旧ジャニ起用への疑問が再燃…「紅白のためでしょ?」と批判轟々…しかし「NHKは起用すべきじゃない」という批判が“ピントはずれ”であるワケ
補償対象者や補償完了者の数字だけを見ると、補償は順調に進んでいるように見えるが、このシーンを見てしまうと「SMILE-UP.は被害者に誠実に寄り添う気持ちがあるのか?」という疑念を持たざるをえなくなる。 ただし、これによって「NHKはSTARTOのタレントを起用すべきではない」とするのは、先述の理由から適切ではない。 ■STARTOのタレント起用は、NHKにとってのメリット タレント起用において問題にすべきなのは、繰り返しになるが「経営分離」である。番組の中では、NHKの元理事が、ジャニーズ事務所顧問を経て、現在STARTOの顧問となっている――という事実が語られた。
しかし、これだけを見ると「本当に経営分離ができているのか?」という疑問が生じてくる。 筆者としては、NHKがSTARTOのタレントを起用すること自体は否定しないが、NHKは上記の事実を解明し、問題は追及し続けるべきであると考えている。 NHK側は否定しているが、このタイミングでSTARTOのタレントの起用を発表したのは、年末の紅白歌合戦を意識してのことだと見ている人も多い。 紅白歌合戦にSTARTO所属のタレントが出演することは、故ジャニー喜多川氏の性加害問題が一段落ついたという、“禊(みそぎ)”としての意義は大きい。では、ビジネス面で見るとどうだろうか?
2023年の大みそかは、紅白歌合戦の裏で、旧ジャニーズ所属のタレントは1組も出演できなかった。一方で、同事務所所属グループのSnow ManはYouTubeで生配信を行い、最大133万人の接続数を集め、日本歴代1位の記録を達成している。 そうした事実を踏まえてか、ファンの中には、「NHKにすり寄る必要はない」「NHKの番組に出演しなくてもよい」という声も大きい。 ビジネス面に関しては、STARTOのタレント起用は、STARTOよりもNHKにとってのメリットが大きいのではないだろうか? そうであれば、NHKはSTARTOに対して強気に出ることもできないだろう。