EU安全保障へのロシアの脅威は広範と伊首相、不法移民巡り警戒
Anne Kauranen [サーリセルカ(フィンランド) 22日 ロイター] - 北欧フィンランドで21─22日、欧州連合(EU)の安全保障に関する首脳会議が開催された。フィンランド、イタリア、ギリシャ、スウェーデンの首脳のほか、EUの外相に当たるカラス外交安全保障上級代表が参加。北欧や地中海地域の安全保障、南欧の移民問題について協議した。 イタリアのメローニ首相は22日の記者会見でロシアについて聞かれ、ロシアは不法移民問題などを利用してEUを弱体化させることが可能で、域内の安全保障にとって防衛面以上の大きな脅威となっているとの認識を示した。 「脅威はわれわれが想像するよりもはるかに広範囲に及ぶことを理解する必要がある」とし、ウクライナ戦争が終結しても、ロシアや他国からの域内安全保障に対する危険はなくならず、EUはそれに備える必要があると述べた。 加盟国に国境管理を強化し、不法移民を流入させるロシアやいかなる「犯罪組織」の動きも阻止するよう呼びかけた。 フィンランドやエストニアなど一部のEU加盟国は、ロシアが中東などからの不法移民を適切な検査なしにロシア経由でEU諸国に入国させ、EUの安全保障を損なっていると非難している。