原付で「ホンダの生い立ち」再現?「カブ主」大集合で“知られざる故事”に出会いました
イタリアンスクーターに負けない質感を求めて
一方、「カブ主」の投票で選ぶコンテストで最多得票を得て1位に輝いたのが、プラスチック製のボディをアルミ叩き出しで作り直した「ジョルカブ」です。 このバイクはレトロ調のデザインで人気を博していたスクーター「ジョルノ」に、「スーパーカブ」のメカニズムを移植した車両で、外観はスクーターそのものですが、立派な「スーパーカブ」ファミリーの一員です。「ジョルカブ」はベルトドライブの一般的なスクーターとは異なり、「スーパーカブ」と同じくシフトペダルを用いた自動遠心クラッチによるロータリー式4段マニュアルを搭載しています。 マニュアル操作が必要なスクーターと言えば、「ベスパ」や「ランブレッタ」などをイメージする人が多いと思いでしょうが、これらのイタリア製スクーターのボディは質感の高いスチール製。そこでオーナーは、ジョルノに「ベスパ」や「ランブレッタ」にも負けない質感と高級感を与えるべく、基本となるデザインはそのままに外装をアルミ製で作り直したそうです。 製作はプロの板金職人よる手作りとのことで、カタチにするには相当な手間と時間、そして費用がかかったことがうかがい知れます。 なお、この2台以外にも個性的でユニークな「スーパーカブ」が多数展示されており、集まった「カブ主」のみなさんは仲間同士で交流を深め、思い思いに休日を楽しんでいました。
山崎 龍(乗り物系ライター)