【わたしらしく生きるプロジェクト】 広島の女性の健康寿命が全国で下位 延ばすカギは?
広島テレビ放送
■森拓磨アナウンサー 「わたしらしく生きるプロジェクト」です。広島の女性の健康について、金丸記者です。 ■金丸真帆記者 注目するのは「健康寿命」です。病気などで日常が制限されない、健康に生活できる期間のことを指します。男女別の「健康寿命」をみると、どちらも70歳前半で少しずつ上がってきていますが、広島の男性が全国平均とほぼ同じくらいである一方、女性は大きく下回っています。全国での順位も最下位争いです。そんな女性の健康課題について考えようというイベントが、今月(11月4日)広島市内で開かれたので取材してきました。 ■ルーチェ鍼灸院 河北景子 代表 「広島の女性は無理をしてがんばっている人が多いのではないかと個人的には考えている」 広島市中区のおりづるタワーで開かれた「フェムテックフェス」。女性を意味する「フィメール」と「テクノロジー」をかけあわせた言葉「フェムテック」に取り組む企業が集まり、生理や更年期といった健康課題を解決する製品やサービスを展示しました。広島の女性の健康寿命が短いことを知った参加者たちは… ■参加者 「改めて聞いてびっくりした。あともう少しだよな元気なのはって、ちょっと考えちゃいます」 ■参加した高校生 「広島って自分から動くことが少ないように思う。自分たちで行動することで健康にも繋がっていくのかな」 ■参加者 「検診はしているけど栄養はとれてない。きょうは栄養のお話をいろいろ聞けたので、どうやって鉄をとるか」 自身の健康について見つめなおす必要を感じていました。広島の女性たちの課題として挙げられるのが「がん検診の受診率」の低さです。特に、乳がん検診は全国平均を5パーセント近く下回っています。模型で悪性のしこりを見つける体験ブースでは、入浴時の触診や検診の大切さを呼びかけていました。 ■ルーチェ鍼灸院 河北景子代表 「検診はそこからがスタート、まずはご自身の安全確認。女性一人一人、ご自身が自分事としてきちんととらえていただく。起こるかもしれない課題を知っていただくことが第一歩」 ~スタジオ~ ■井上沙恵アナウンサー 広島県の女性の健康寿命が短いというのも驚きですが、がん検診の受診率の低さも課題ですね。 ■金丸真帆記者 乳がん以外、他の(部位の)がんでも広島の女性は検診の受診率が全国を下回っています。会社員であれば企業で健康診断が義務付けられていますが、パートタイム(で働く方)や専業主婦など、自分から動かなければ検診の機会がないという方も一定数いるという印象です。取材していても「がんが見つかるのが怖い」とか「お金がかかる」という声も聞こえましたが、イベントに登壇した放射線技師の西原さんは「検診での早期発見が、結局は心・体・お金の負担が小さくなるから怖がらずに受けてほしいと強調していました。 さらにもうひとつ、広島の女性の特徴としてわかっていることが悩みやストレスを抱えている人の割合です。特に25歳から44歳の女性は全国平均を大きく上回っていて、6割以上の人がストレスを抱えています。また、広島県の調査で「精神的な不調」によって日常生活に問題がある人の割合も20歳から39歳の女性は男性の倍、「精神的な不調」を抱えているという結果が出ています。 ■森拓磨アナウンサー ここまで差があると、原因究明したいですよね。 ■金丸真帆記者 こうした調査結果が健康寿命の短さにつながっているかはわかっていませんが、県も動き出しています。また、広島県は女性の健康寿命の要因分析のための意識調査を9月から実施していて、来年(2025年)1月に結果を公表するとしています。県内各市町でがん検診の窓口も設置されていますので、気になる方は相談に行ってはいかがでしょうか。 (2024年11月21日放送)