JPモルガン、円金利取引トップに木枕氏-ゴールドマンから復帰
(ブルームバーグ): 米銀JPモルガン・チェースは、ゴールドマン・サックス・グループから木枕弘樹氏を日本国債を含む円金利トレーディングのトップとして採用した。約6年ぶりのJPモルガンへと復帰となり、国債市場では人材の移籍が活発化している。
木枕氏はこのほど、JPモルガン証券にマネジング・ディレクター兼債券トレーディング本部長として入社した。日本国債や円金利デリバティブ(金融派生商品)の取引を統括する。同証広報担当者が明らかにした。前任者の竹村陽一氏は数カ月前に同証を退社し、米ヘッジファンドのガルダ・キャピタル・パートナーズに移籍した。
3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除し、約17年ぶりの利上げに踏み切って以降、日本国債取引の収益性はより高まっている。発行残高が約1100兆円に上る国債市場での収益拡大を目指し、金融機関の間でトレーダーの獲得競争が激しさを増している。
JPモルガン証も、米ヘッジファンドのアルファダイン・アセット・マネジメントから河原弘樹氏を円金利スワップ取引担当として採用している。
JPモルガン証の広報担当者は「非常に競争の激しい市場において、こうした戦略的な採用は日本に対する強いコミットメントを示すものだ」などと電子メールでコメント。「日本は重要市場であり、潜在的なビジネスチャンスを捉えるために最も優秀な人材への投資を継続している」とした。
木枕氏は、ヘッジファンドのホークスブリッジ・キャピタル(東京・港区)での勤務を経て、ゴールドマンのマネージング・ディレクターを務めた。それ以前は、2014年から2018年までJPモルガン証の円金利オプションデスクで勤務していた。
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Takashi Nakamichi