絶好調のアシックスに死角はあるか?
五十君:私はファッション分野のスポーツスタイルカテゴリーを取材しましたが、今本当に多くの若い人が街ではいています。19年のカテゴリー再編からたった5年。日常着にもスポーツウエアの機能を求める流れとY2Kトレンドをつかんだというのが大きいと思っていましたが、取材をすると、芽をいち早く見つけて、育て、刈り取るところまで綿密に計算していたのだと気付きました。
林:近年の成長は、主力のランニングに加えて「スポーツスタイル」カテゴリーと「オニツカタイガー」がけん引していますね。でもスポーツメーカーとしては、まだ世界で10位くらい。ランニングシューズで強みを磨くのはもちろんですが、次の芽はどこにあるのか。Y2Kも含めてトレンドが去った時に、取り残されないようにするのが課題だと思います。“定番”として不動の人気を誇るほどの看板アイテムがあるかというと疑問。追い風が止まっても売れ続ける商品が生まれるとさらに盤石でしょう。