戸塚純貴「救ってくれた」福田雄一氏演出でミュージカル初挑戦、「虎に翼」反響も「街で声掛けられない」
俳優の戸塚純貴が、11日開幕の「グラウンドホッグ・デー」(桐山照史主演、東京・東京国際フォーラムホールCほか)でミュージカルに初挑戦する。 ビル・マーレイ主演の傑作コメディー映画「恋はデジャ・ブ」(1993年)のミュージカル化。2016年に英ロンドンで世界初演。17年に米ニューヨークのブロードウェーで上演され、日本初演。「勇者ヨシヒコ」シリーズ、「今日から俺は!!」の福田雄一氏が演出を手がける。 福田組常連の戸塚は主人公の高校時代の同級生で、保険会社のセールスマン・ネッド役。ミュージカル初挑戦に「福田さんは僕が初めて、と分かって呼んでくださった。みんなと同じように歌って踊って…ということ以上に『面白いことをしろ!』という圧を感じますね」と苦笑い。劇中でソロ曲が1曲用意されているが、「世界観がガラッと変わるシーン。ストレートなバラードを歌い上げるんですが、そこに笑いは求められていない。怖いですね…。人前で歌うのは初めて。歌も踊りもやって来なかったヤツができるような甘い世界じゃないことは分かっていますが、福田さんからの課題なのでチャレンジしようと決めました」と語った。 福田氏との出会いは、ゲスト出演したドラマ「アオイホノオ」(14年)。当時22歳。その後の役者人生の転機になった。 「第11話はワンシーンだけだったんですが、僕のことを面白がってくれて、シーン数を足してくれたんです。次の作品にも呼んでもらえるようになって。なかなかうまくいかない時期だったし、俳優として救われたというか。コメディーが大好きな僕にとって、自信が付くきっかけを与えてくれました」 NHK連続テレビ小説「虎に翼」では、ヒロイン(伊藤沙莉)の大学時代の同期で、同性愛者でもあった轟弁護士を演じ、お茶の間の好評を得た。オンエア後、「俺たちの轟」はXで度々、トレンド入りするほどだった。「多様性のこの時代に合った作品だったと思います。同性愛者の話を朝ドラで描くんだ、ちゃんと表現するんだという制作側の思いが伝わってきました。(現場の)熱気もすごくて。僕にとっては、昔から親交のある沙莉が(作品の)真ん中にいてくれたことも大きかったですね」 放送後の反響も上々のようで「地元や家族、親戚は盛り上がっているみたいです。これは、これまでになかったことで。朝ドラの影響力を改めて感じましたね。ただ僕自身、街を歩いていても、意外と声を掛けられない(笑い)。『噓だろ!』っていうぐらい(ネット上の反響との)ギャップに戸惑っていますね」と笑った。 8月から地道に歌の練習を積んできたという戸塚。「ずっと見てくださっている方には、『久しぶりに福田さんと作品を作っているな』『何も変わっていないな』と思ってもらえたらうれしい。『虎に翼』から知ってくださった方は、こんなこともするんだと知ってもらえたら。心を揺さぶらせたいですね」。30代中盤に向けて「好きなことにどんどんと挑戦して、幅広く演じていきたい」と誓っていた。(加茂 伸太郎) ◆戸塚 純貴(とつか・じゅんき)1992年7月22日、岩手県出身。32歳。2010年ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで「理想の恋人賞」受賞し、芸能界入り。11年俳優デビュー。12年「仮面ライダーウィザード」に出演。13年「風切羽~かざきりば~」で映画初主演。憧れの俳優はジム・キャリー。自動車整備士を目指していたため、三級自動車シャシ整備士、クレーン運転技能講習など多数の資格所持。身長172センチ。
報知新聞社