「いじめではないか?」と炎上しても…『ドッキリGP』はなぜ“笑える”のか? コンプラ時代に逆風のバラエティ、それでも笑いを諦めない矜持とは
『ドッキリツッコミGP』の視聴者からは「久しぶりに腹の底から笑えました」「腹筋がちぎれるほど大笑いしました。人間関係で悩んでいたのですが、全部吹っ飛びました」と称賛の声が集まっている。中でも、「レジェンド・オブ・レジェンド」と呼ばれるお笑い芸人のカンニング竹山さんが放つ笑いの爆発力は凄まじい。 「僕が以前担当していた『とんねるずのみなさんのおかげでした』の中のドッキリ系の企画でも、竹山さんはつねに爆笑をさらっていました。竹山さんとは、僕が20年前にフジテレビのCSチャンネルでやっていた番組『お台場お笑い道』から一緒にやってきた関係性があって、『ドッキリGP』にも出てくださっていたので『ドッキリツッコミGP』にも竹山さんは絶対外せないなと」(中川さん)
中川さんは現在、『ドッキリGP』の他に、timeleszの菊池風磨さんとシソンヌ長谷川忍さんがタッグを組んだ『何か“オモシロいコト”ないの?』の総合演出も担当している。双方、タイプの違うバラエティ番組だが、どちらにも共通して目指している「笑いの最終到達点」があるという。 「日本人全員、息もできなくなるくらい笑い転げている、というのが、僕がバラエティ番組を制作するうえでの最終到達点なんです。でもそれはもちろん難題で、100人中100人を笑わせるのは無理かもしれません。でもできるだけ、80~90人が笑える番組を目指して作ることがマスメディアにおけるテレビバラエティのあり方であり、義務だと思います。
ドッキリ番組に対しては特に『これはダメだ』『これはひどいじゃないか』という人たちがいるのもありますが、それでも、1人でも多くの皆さんに笑っていただき、明日からまた元気に仕事や学校に行って生活してほしいなと思ってドッキリを作っているんです」(中川さん) ■ドッキリは「ある種のドキュメンタリー」 ドッキリは台本があるトーク番組やコント番組とは違って、タレントの素が見える貴重なジャンルであり、ある種のドキュメンタリーという言い方が正しいのかもしれない。
世間から賛否両論の声も上がるドッキリ番組だが、「日本全国で笑いの渦を巻き起こしたい」と願い、来る日も来る日も新企画を生み続け、我々に爆笑を届けている“お笑い番組のプロフェッショナル”がいることを忘れないでいたい。
ジャスト日本 :ライター