「いじめではないか?」と炎上しても…『ドッキリGP』はなぜ“笑える”のか? コンプラ時代に逆風のバラエティ、それでも笑いを諦めない矜持とは
そうすることで、笑いと同時に安心感を視聴者の皆さんに届けることができるのではないかなと思います」(中川さん) ■ドッキリ番組に必要な「お作法」 とはいえ、番組が細心の注意を払ったとしても、意図しない方向に炎上してしまうこともある。中には意図的にプチ炎上を引き起こし、世間からの注目を集めるという手法もあるが、中川さんは「番組が炎上することはあっても、演者さんが炎上してしまうことは絶対にあってはならない」と語る。
「当たり前ですがロケをするときには、『この人にドッキリを仕掛けたとき、ちゃんと笑えるようになるのか?』ということをまず考えています。 番組に出てもらった演者さんが『感じの悪い人』や『ひどい人』に見えたり、炎上したりすることは絶対に避けなくてはならない。そうなってしまうのは、演者さんに対して愛情が足りないのではないかと。 もちろん僕らもそれを完璧にできているわけではないですが、演者さんに出てもらうからには必ず面白く見えて帰ってほしい。それが“ドッキリのお作法”だなと考えています」(中川さん)
2025年1月2日の18時25分から3時間半にわたって特番『お笑いオムニバスGP 2025』が放送される。その中の人気企画といえば、お笑い芸人の猛者たちがドッキリのリアクションを競う「ドッキリツッコミGP」である。 この「ドッキリツッコミGP」は近年、「元気がない」「勢いがない」とも言われがちなフジテレビが規格外の予算をつぎ込み、新春からただひたすら視聴者を爆笑させるために総力を結集させた「お笑い祭り」である。
「さまざまなお笑いジャンルの頂点を決めるというコンセプトの特番『お笑いオムニバスGP』を立ち上げたときに、一番の得意分野を入れておきたいなということでドッキリは外せませんでした。『ドッキリGP』で仕掛けられた後に、言い返してくるのが本当に面白いひとたちがいて。『この言い返しの頂点を決めたら面白そうだな』と思ったら、『ドッキリツッコミGP』が生まれたんです」(中川さん) ■目指している「笑いの最終到達」