検察「凶悪、厳罰が必要」 永田被告に無期懲役求刑 狛江「ルフィ」事件
●地裁立川支部 昨年1月に東京都狛江市の住宅で高齢女性が死亡した強盗事件など計6事件で実行役を務めたとして、強盗致死罪などに問われた、当時金沢市在住の永田陸人被告(23)の裁判員裁判の論告求刑公判が24日、東京地裁立川支部であり、検察側は一連の広域強盗は「国民の不安を招く凶悪事件で厳罰が必要だ」とし、無期懲役を求刑した。弁護側は有期の懲役刑を求めて結審した。判決は11月7日。 検察側は論告で、犯罪者集団を中心に闇バイトの応募者で構成した組織性の高い犯行と指摘。その上で、被告について「大金欲しさの動機は身勝手。実行役のリーダー格として役割は重大だ」と非難した。 また、「ルフィ」と名乗る男らが指示した一連の事件で、唯一、被害者が亡くなった狛江事件では、抵抗できない高齢女性を一方的に暴行し「犯行は残忍で凄惨(せいさん)。平穏な生活を突如奪われた恐怖、無念、苦しさは計り知れない」と断じた。 弁護側は「被告は若く、更生できる」として有期刑の適用を求めた。被告は最終意見陳述で「私が責任を果たすには死刑が一番ふさわしい。被害者や遺族の気持ちを考え、極刑にしてください」と声を震わせながら語った。 起訴状によると、永田被告は東京、千葉、神奈川、広島各都県で22年11月~23年1月に起きた計6事件に関与。狛江事件では、当時19歳の元大学生、中西一(いっ)晟(せい)被告(21)=白山市出身、同罪などで懲役23年、控訴=らと共謀し、宅配業者を装って侵入。住民女性=当時(90)=に暴行を加えて腕時計3本などを奪い、死亡させたなどとされる。