「もうええでしょ!」会議で大きな声を出す人が、頭の中で考えていること
● 決定直前 目的:意思決定に影響を与える 決定が近づくにつれ、大声を出すことは最後の圧力として使われることがある。優勢であれば議論を終了して早く決めようとするし、劣勢であれば先延ばしにしようとする。 また、特に緊迫した議論や接戦の投票が予想される場合、大声で自己の立場を強調することで、未決定の参加者に対して心理的な圧力を加え、自分の望む方向に決定を導こうとする。 「これ以上議論しても意味がない」 これは、既に十分な議論が行われたと主張し、これ以上の意見交換を無駄だと示唆するために使われる。議論を終結させ、できるだけ早く決定に持ち込む効果がある。 「こんなにいい加減な議論で決めていいはずがないだろう」 負け戦になりそうな際に、今日決めるのをやめるために使われる言葉である。もっと深く分析して議論する必要があるという表向きの理由だが、実際は、単なる先延ばし戦略だ。 「いいかげんな気持ちでYES(またはNO)と言うなよ」 敵方に賛成すれば、その後の仕事において大きなペナルティーを受ける可能性があるとにおわせて、自分の望む方向に導く。
● 決定後の大声 目的:決定の受け入れを促す、決定の不当性を示す 決定後にも大声を出すことがあるかもしれない。これは、決定に対する支持を示すため、または不満を表明するためである。決定が自分にとって有利な場合は、その決定を支持し強調するために声を大にし、逆に、不利な決定に対しては、不満や異議を唱え、再考を求める圧力として大声を使用する。 「もう決まったことだから(何を言ってもしかたがない)」 これは、決定がすでに下されたのだから、他の意見や提案を言っても無駄であるということを示すために使われるフレーズである。 「ノーサイド」 決まったら従うのが原則だから、だまって決定に従え!という発言である(本来は「敵味方関係なくお互いを讃える」という意味合いのラグビー用語として耳にすることが多いのだが)。 「こんなバカな話が許されると思うなよ」 負け惜しみの一言だが、この一言を言っておくことで相手に不安感を与える効果がある。日本企業の組織の場合、仲間割れを極端に嫌う風土があるため、不満を表明しておけば、相手から譲歩が得られる可能性が高まる。