【国産時計ブランド】滋賀や京都が拠点、西日本発ウオッチ!日本人の手首にフィット、英国軍用時計を思わせるモデルも
日本には、まだ広く知られていない魅力的なマイクロブランドが数多く存在する。特に西日本には、職人の技術と情熱が詰まった個性豊かな時計ブランドが点在している。たとえば、クラウドファンディングから誕生した新鋭ブランド”JIOS(ジオス)”や、京都の自社工房で組み立てられるクラシックデザインが魅力の”KUOE(クオ)”など、注目すべきブランドがそろっている。これらの知る人ぞ知るブランドがどのような背景から生まれたのか、そしてその時計たちがもつ独自の世界観について、その魅力を紹介する。 【画像】西日本発ブランド、注目ウオッチを見る
JIOS(ジオス) GMT DIVER’S 104
滋賀県大津市石山発の新興時計ブランド”JIOS(ジオス)”は、日本のモノづくりと地域の魅力を世界に発信することを目指している。ブランド名は”Japan”、”Ishiyama”、”Otsu”、”Shiga”の頭文字から取られ、石山が日本の時計の始まりである水時計の発祥地であることに由来する。 ジオスの第2弾モデル”GMT DIVER’S 104”は、GMT機能を搭載したダイバーズウオッチだ。GMT針は、第二時間帯の時刻表示や24時間計としての利用が可能で、海外旅行やビジネスで現地時刻と日本の時刻の両方を常に把握しておくのに便利だ。 モデル名の”104”は、琵琶湖の最深部が約104メートルであることに由来し、その深度まで耐えられる防水性能を備えていることを示している。ユーザーが”104”の意味を知ることで、滋賀県や琵琶湖、さらには大津石山への関心を高めてもらいたいという思いが込められている。 デザイン面では、定番のダイバーズウオッチのスタイルを踏襲しつつ、スクエアのバーインデックスとトライアングル型の針を組み合わせることで、クラシックとモダンを融合させている。ケースサイズは40mmで、オンオフ問わず日常使いしやすい。販売価格は、4万9500円となる。
KUOE(クオ) オールドスミス90-002 ブロンズケースモデル
続いて紹介するのは、2020年に京都で誕生した時計ブランド“KUOE(クオ)”だ。 クオは、アンティークウオッチ愛好家の創設者が、高価になりがちなアンティーク時計を手軽に楽しめるよう立ち上げたブランドだ。日本製ムーヴメントを搭載し、組み立ても国内で行いながら、価格以上の質感をもつモデルを手の届く価格帯で提供している。 代表作である”オールドスミス90-002”は、1940~70年代のイギリス軍用時計にインスパイアされた自動巻きのクラシックミリタリーウオッチだ。視認性を重視した太めのアラビア数字インデックスや時分針、マットな文字盤など、当時のデザインを再現している。 2023年末、クオは従来の35mmケースから3mm大きくなった38mmのブロンズケースモデルを発表した。ブロンズ素材は、使用環境や時間の経過により酸化し、独特の風合いと深みを増すため、ユーザーごとに異なる経年変化を楽しめるのが魅力。ケースサイズの拡大に伴い、文字盤が広くなったが、インデックスの配置や針の長さを最適化することで、デザインのバランスと視認性が向上している。販売価格は、6万4800円だ。 日本各地のマイクロブランドが生み出す個性的な時計たちは、世界からも注目されている。来年もまた多くの国内ブランドが生まれ、多くの時計愛好家を楽しませてくれるだろう。
文◎トレンドライター 広