Bloomberg

（ブルームバーグ）： ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループは４月30日、数年前に同社に移籍する約束を破った著名バンカーに違約金を支払わせる判決を勝ち取った。

クレディ・スイス・グループの投資銀行部門でカジノと不動産担当バンカーだったディーン・デッカー氏は2017年前半、1000万ドル（約15億8000万円）の報酬を約束したジェフリーズに移籍する契約に署名したが、その約束をほごにした。

契約には破棄の場合にデッカー氏が400万ドルの違約金を支払う条項が含まれており、ジェフリーズはこの支払いを求めていた。

移籍の約束破談にしたバンカー、数百万ドルの違約金支払い請求に直面

カリフォルニア州の連邦高等裁判所は、デッカー氏に400万ドルの支払いを命じたこの判決は前例となることを意図したものではないことを示唆したが、それでも違約金条項を多用するようになった金融機関にとっての勝利と見なされるかもしれない。

ジェフリーズの条項は契約法で「損害賠償額の予定」として知られるもので、約束を守らなかった当事者が支払わなければならない所定の額だ。

デッカー氏はジェフリーズに有利な仲裁裁定を破棄することを求めて連邦高裁に上訴し、好きな場所で働く権利を侵害する違約金条項はカリフォルニア州法に違反し、身代金に等しいと主張していた。

判事は仲裁判断を見直すには限界があり、デッカー氏は損害賠償条項が取引制限に対するカリフォルニア州の政策に明確に抵触していることを示せなかったと説明した。

敗訴したにもかかわらず、現在サンタンデール銀行で働いているデッカー氏は訴訟費用を負担することはない。17年当時にデッカー氏の引き留め成功したクレディ・スイスは以前に、同氏の弁護士費用と損害賠償金を負担することに同意していた。この費用はクレディ・スイスを買収したＵＢＳグループが負担することになる。

サンタンデールの担当者によると、デッカー氏はコメントを控えた。ジェフリーズの広報担当者にコメントを求めたが、すぐに返答はなかった。