郷土愛あふれる弁当(12月26日)
とりどり海の幸、ボリュームたっぷりの牛、豚、鶏…。弁当はバラエティー豊かな食材の「宝箱」。最近は海外からの人気も集め、旅のお供に買い求める訪日客が増えている▼喜多方市内の小中学生が、それぞれおつな弁当を開発した。地元の宝を見いだし、商品にして売り出す起業家体験学習の一環だ。市内の事業者や農家の手を借り、夏休み明けに準備を始めた。コメや野菜、卵や肉は全て地元産。包装紙には伝統の会津型を取り入れるこだわりようだ。売れるのに何が必要か。授業で繰り返し討論を重ね、ようやく生み出した▼うまみが詰まったおにぎり。優しい甘さの卵焼き。自ら丹精込めて育てたカボチャの煮物…。そんな中学生の手作り弁当が先月、市内で開いたイベントで販売された。生徒も店頭に立ち、75個が売れた。購入した市民は「食べるのが楽しみ」と家路を急いだ▼「自分で考え、商品化できてうれしかった」「将来の仕事の参考になった」。販売を終えた生徒は、目を輝かせていた。小学生は年明け、注文販売を受け付ける。おかずの品数を考え、彩りを工夫する。子ども目線のお弁当は、食育の風味も満点だから、一食の価値ありだ。<2024・12・26>