嘘をついている限り「孤独」ーーインスタもエゴサもしない、佐藤健の省エネな生き方
レッテルに本質はない
「単にめんどくさがりなんです。クールとかじゃなくて、エネルギーを節約してるだけ。それも目的があってというよりは、本当に子どもの頃からの性格です。『近寄りがたい』とかよく言われるんだけど、毎回『誤解だよ』って言ってます。僕だって、あなたのことを近寄りがたいと思ってるんです、って。なんというか、お互い人見知りなだけなんじゃないかなと。もちろん誰とでも仲良くなれるわけじゃない。でも、何か壁をつくっていたり、警戒して『近寄んなよ』って思ったりしているわけじゃないんですよ。興味のある相手なら、隙あらばこっちも話したいし、仲良くなりたいと思ってはいるんですけど、何せ省エネで。気を使うあまりに小心になってるのかも。そんな感じでツンとしてるように見えるのかな」 芸能人であるかぎり、レッテルやイメージを押しつけられることもある。例えば今でも「イケメン俳優」と言われることに対して、抵抗を感じるのだろうか。 「いや、気にしてないです。どんなレッテルにしても、そこに本質がないことがわかれば、ことばに左右されたり、悩んだりということはないですね。『イケメンって言われているうちが華かな』くらいで」
「35歳までに結婚する」と自身を奮い立たせている
過去のインタビューで、35歳までに「家族」をつくりたいと答えている。現在、32歳。今は、どういう心境だろう。 「うーん(笑)、それは、どうしてそう言ったかというと、自分自身を奮い立たせたわけです。そう言わないと、いつまでも、ずるずるするだろうなっていう未来が見えたので、『僕は35歳までに結婚します』と。今も、希望としては変わらないです……って言ってますけど、難しそうだな……」 東日本大震災に端を発する出来事を描いた『護られなかった者たちへ』は、「絆」が一つのテーマとしてある。世界中に新型コロナウイルスが蔓延し、日本が再びの危機にさらされている今、この映画に出演したことで、佐藤には確信したことがあるという。 「映画では、血のつながりも、何のゆかりもなかった人たちが、まるで家族のような絆を見つけていくさまが描かれています。それはとても奇跡的に見えるかもしれないけれど、演じた僕からすると、すごく自然で、簡単なことでもあるように思えた。たぶん、人と人ってそういうもので、心を開くことさえできれば絆は生まれて、そうすれば孤独から……何ていうんですかね、抜け出せることもあるんじゃないかな」