新しい「複業スタイル」を構築した島根県の「まち」に全国から人が集まる理由[FRaU]
最近では、この制度を使い、自身のキャリア形成や自己実現を目指そうという人が多いです、とは前出の宮原さん。 「組合としても定住してもらうために動いているわけではなく、あくまでもいい人材を地域に輩出するための場所と考えています。採用の募集をするときも『いつ島を出てもらっても構いません、合っていないと思ったら別の地域に行ったらいいし、合っていると思うなら続けてみて、希望する会社にぜひ入ってください』とお伝えしています」
一生ここに住むのかと考えると人生の一大決心のようで、動けない人も多い。ちょっと島暮らしを体験してみたい、新しい働き方の可能性を模索したいという人には、海士町の複業スタイルは理想的な仕組みだ。それはまちにとっても有益なことで、仕事に対する意識が高い人が集まり、新しい刺激や活気をもたらしてくれる。誰もが“ウィンウィン”の関係であること、その風通しの良さこそ多くの人が魅了される所以なのだろう。 ●情報は、FRaU2024年1月号発売時点のものです。