会話で大事なのは「テンポ」…相手との距離を深められる人とそうでない人の決定的な差
場のテンポに合わせる
それぞれの人に、生き方のスタイルがあるように、話し方にもスタイルがあります。 自分自身のスタイルは保ちながらも、必要に応じて速いテンポでも話せるようにしておく。お互いゆっくりと、深い話ができる相手がいれば、自分のスタイルで話す。こんなふうな切り替えができるとよいと思います。 長く友だちでいるには、スタイルが合う人を見つけることも大事です。 「この人とはしっくりくる」という人を見つけたら、その関係を大事にしましょう。 なお、速いテンポに合わせるのが苦手な方は、食事をしながら人間関係を深める、という方法もあります。 食事をしながらの会話は、食べる時間が必要ですから、ずっと話を続けなくてもかまいません。会話のテンポは少しゆっくりになります。 お酒が入ると、さらにテンポは変わります。特にお酒の場は、関係を親しいものに変える場でもあります。 その場の会話のテンポをつかみ、それに合わせることで、苦手意識も取り去ることができます。 写真/shutterstock
---------- 齋藤孝(さいとう たかし) 1960年静岡生まれ。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て現職。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(毎日出版文化賞特別賞、2002年新語・流行語大賞ベスト10、草思社)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームをつくった。著書に『いつも「話が浅い」人、なぜか「話が深い」人』(詩想社)、『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)、『話がうまい人の頭の中』(リベラル新書)等多数。著者累計発行部数は、1000万部を超える。テレビ出演多数。 ----------
齋藤孝