意外と知らない「エアコン節電ポイント」 今夜から真冬並みの寒さに…設定温度、風量、風向は? 電気代を抑えよう!大手空調メーカーに聞いた
【室外機周辺の整理整頓】 エアコンの暖房運転時、室外機は屋外の空気から熱を集める役割をします(集めた熱は室内機に運ばれて部屋を暖めます)。空気中の熱を集める際、室外機は背面や側面から空気を吸い込み、その空気から熱を奪った後に正面から吹き出します。室外機の周辺に障害物などがあると空気の流れが滞り効率的に熱を集められなくなって消費電力が増える場合があります。室外機の周辺はすっきりと余計なものは置かず、障害物は取り除くことが大切です。
■ON・OFFは控えめに 風量は「自動」
【エアコンの心臓にかかる負担を減らす】 工夫の1つ目はスイッチのオン・オフは控え目にすることです。エアコンはスイッチを入れると室内を素早く暖めようと圧縮機が勢いよく動いてより多くの熱を運びます。圧縮機は室内が適温になったら、その状態を維持できる程度に力を落として安定運転を続けます。室温が下がってくると、圧縮機はまた動きを強めます。スイッチのオン・オフを繰り返すと、圧縮機への負荷が高まる頻度が増えて多くの電力を消費します。ダイキンの実験では30分程度の外出なら一度オフにするより「つけっぱなし」の方が節電につながるという結果となりました。エアコンの頻繁なオン・オフはなるべく控えることをおすすめします。 工夫の2つ目は、「風量自動」です。節電のため風量を弱めに設定していると、熱交換器を通る空気の量が減り、室内に送り出す熱の量も減ってしまいます。その分圧縮機に負担がかかり、余計な電気を使ってしまいます。風量を自動にしておくと、エアコンはスイッチを入れた後、どんどん熱を室内に運んで素早く部屋を暖かくします。必要な分だけ室内の熱を増やしたら後はお部屋の温度を維持できるよう安定運転を続けます。風量自動は、より効率的な運転で圧縮機の負担を減らします。
■風向は「下向き」 空気清浄機の活用もおすすめ
【エアコン暖房時の節電のポイント】 1つ目は、お部屋の「温度ムラ」を抑えることです。暖かい空気は軽くて上昇する性質があり、暖房中は天井付近と床付近の温度に差が出る「温度ムラ」が起こりやすくなります。室内機で吸い込んだ空気の温度から室温を判断しているエアコンは天井に暖気がたまっていると「設定温度に達した」と判断して、床付近が寒くても運転をゆるめてしまいます。設定温度を上げれば足元の寒さも和らぎますが、その分、消費電力は増えてしまいます。無駄な電力消費を抑えるためには温度ムラを改善することが大切です。 温度ムラを抑えるためには、風向は「水平」ではなく「下向き」がおすすめです。下から暖かい空気が自然に上がるようにすることで温度ムラを抑える効果が期待できます。