学校における「スマホ没収」は合法?子どものスマホが「没収」されたときはどうしたらよい?
紛失や長期間の没収は違法となるケースがある
生徒からスマートフォンを没収した場合、教育上必要と認められる理由であれば違法にはならないことが分かりました。しかし、長期間にわたって没収した場合には、生徒の財産を長期間占有することになるため、所有権や財産権の違反に該当する恐れがあります。 生徒の所有物を、授業中や下校までの期間に一時的に預かることに問題はないものの、下校時には返還するのが一般的です。 また、没収した生徒の私物は対応した先生が適切に管理しなければなりません。没収期間中に紛失した場合には、財産権を侵害したとして、先生に対して損害賠償請求できる可能性があります。
国家賠償法に抵触する恐れも
財産権の侵害に加えて、国家賠償法に抵触するケースもあります。 国家賠償法第一条では、「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。」と定められています。 また、「前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。」とも定められています。 このことから、没収したスマートフォンの保管・管理義務が発生し、先生の管理不足によって紛失した場合には、損害賠償請求できる可能性があります。
没収されたら証拠を残しておく
不当な没収や没収後の紛失・故障によって、自身が損をしないためにも記録しておく、預かり証を発行してもらうなどの対策が必要です。日付や時間、没収の理由、返却日時などを記録しておき、後々の証拠となるようにしておきましょう。 また、長期間返還されない場合には、両親やほかの先生に相談してみるのがおすすめです。紛失もしくは返還後に故障していた場合には、没収の記録とともに損害賠償請求し、弁償してもらう必要があります。 とはいえ、そもそも校則でスマホの持ち込みが禁止されている場合などは、そのルールに則ることが大切です。集団生活ではルールを守り、皆が気持ちよく過ごせるよう心がけましょう。 出典 e-Gov 法令検索 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第十一条 文部科学省 学校における携帯電話の取り扱い等について(通知) e-Gov 法令検索 国家賠償法 (昭和二十二年法律第百二十五号)第一条 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部