少子化でも業界は活況「東京おもちゃショー2016」
THE PAGE
「東京おもちゃショー」が6月11日、12日に東京・お台場のビッグサイトで開催された。
毎年、15万人が来場する同イベントは、国内のおもちゃメーカー各社が新作などをPRする場になっており、今年も80を超えるメーカーが集まった。 プラレールなどでお馴染みのタカラトミーは、プラレールの巨大ジオラマを展示。ジオラマでは運転風景をスマホの画面で見ることができる「スマホで運転!ダブルカメラドクターイエロー」や新作「プラレールアドバンスリンクシステム」などが並び、子供のみならず、熱心に見入るお父さんたちで熱気に包まれていた。
バンダイの展示ブース前には、今年放送開始50周年になるウルトラマンフィギアが飾られており、来場者たちは、みな一様にスマホで写真を撮っていた。 バンダイが今年の目玉商品として力を入れているのが、7月に発売を予定している新しい「たまごっち」だ。発売20周年を迎えるたまごっちは、累計8100万個を販売した国民的ゲーム。3世代にわたってプレイした家族もいる中、新作では親の遺伝子を引き継いだ子供が生まれるようになっており、隔世遺伝も起こるという。
昨今、たびたびニュースに取り上げられた無人航空機「ドローン」は、大人にも人気の玩具だったが、社会問題が頻発したことから航空法は改正された。それにより、飛行させるには国土交通省への申請と許可が必要になるなどの規制が設けられた。 しかし、規制対象は200グラム以上のドローンに限定されており、それより小型のドローンはおもちゃ屋などでも手軽に購入することができる。そのため、会場内でも小型のドローンが展示され、操縦デモンストレーションなども披露された。
また、最近では教育の観点から知育玩具が注目を集めており、既存のおもちゃメーカーではなく、くもん出版といった教育関連事業者の出展や学校関係者などが来場する姿も見られた。 近年、少子化といわれる。それでも玩具市場は堅調に売り上げを伸ばしており、市場規模は8000億円にまで拡大している。 特に、昨今は訪日外国人観光客がお土産としておもちゃを買うことも珍しくなく、海外メーカーや販売店も日本のおもちゃに高い関心を示している。会場には、外国人バイヤーの姿もちらほら見られた。 外国人バイヤーたちは、けん玉やヨーヨー、段ボールで制作した鎧コスプレなど日本独特の遊び道具や玩具に興味深々の様子だった。 (小川裕夫=フリーランスライター)