24年度アルミ製品需要予測、3年ぶり増の385万トン
2024年度のアルミ製品総需要は、400万トン割れが継続する見通しだ。自動車生産台数の回復や半導体関連需要の復調などで23年度見込み比では3年ぶりの増加を見込む。しかしアルミ圧延品需要が173万トンにとどまるなど本格回復には至らないもようで、目安の400万トンには5年連続で届かない予想となった。 アルミ産業関連7団体(アルミ缶リサイクル協会・軽金属製品協会・日本アルミニウム合金協会・日本サッシ協会・日本ダイカスト協会・日本電線工業会・日本アルミニウム協会)で構成するアルミニウム調査会は先月29日、24年度アルミ製品総需要が前年度見込み比2・1%増の385万トンになるとの予想を発表した。このうち自動車向けは3・7%増の168万150トンとし、また総需要から輸出分を除いた内需も2・0%増の368万7450トンと予測した。 製品別では「圧延品」(輸出除く)が172万6550トン(1・5%増)で、このうち板類が107万1170トン(2・6%増)、押出類が65万5380トン(0・2%減)とした。押出類は主力の建設向けが建設コスト高、住宅ローン金利の上昇懸念から減少を見込む。 自動車向けが主体の分野は、半導体不足の解消や緩やかな景気回復による自動車生産台数増加で回復を予想。9割程度が自動車向けの「ダイカスト品」は98万1千トン(3・8%増)、「鋳造品」が41万2700トン(3・9%増)、「鍛造品」も6万3600トン(3・8%増)とした。 このほか「電線」は電力向けに加え、自動車関連需要の増加を見込み2万7千トン(5・1%増)。「鉄鋼脱酸用アルミ」は10万9千トン(横ばい)、「粉」は8500トン(横ばい)、「その他」は4万9800トン(横ばい)、「輸入品」も47万1500トン(横ばい)とそれぞれ前年並みの予測。このほか「輸出品」は16万2200トン(5・6%増)と見込んだ。 なお23年度総需要(見込み)は、前年度実績比0・6%減の376万8634トンだった。昨年3月に公表した予測値である391万トンには届かなかった。自動車生産台数の回復でダイカストや鋳造品が底堅く、自動車向け出荷は162万630トン(11・4%増)だった。しかし行動制限の撤廃に伴う外飲み需要の回復で缶材が振るわなかったほか、半導体製造装置用厚板も不振を極めた。また建材や箔地なども停滞感が強かったため、圧延品の23年度需要は170万トン(前年度比4・9%減)だった。