1500ｍ準決勝を終えてビジョンをみつめる田中希実選手(写真：ロイター/アフロ)

◇パリオリンピック2024　陸上競技 女子1500メートル準決勝(大会14日目＝日本時間9日 スタッド・ド・フランス) 【画像】レース後、他国の選手と健闘をたたえあう田中希実選手 女子1500メートル準決勝2組目に出場した田中希実選手は、3分59秒70のセカンドベストをマークしますが、組11着で決勝進出を逃しました。 6着以内で決勝進出が決まりますが、田中選手はラスト1周時点で8位。最後まで食らいつき、8位入賞した東京オリンピック以来の4分切りをみせますが、決勝進出に届きませんでした。 田中選手は今大会、3日に行われた5000mにも出場。最後まで競り合うレース展開でしたが、9位で予選落ち。1500mの予選では、選手との接触もありラストに失速。救済措置を受けて準決勝に残りました。 レース直後のインタビューでは、「もう一度4分を切るということが日本人にも可能なのだということをこの場を借りてお見せすることができた。本当に苦しい時間も思ったより長い大会になってしまって、自分のやってきたことを出すにしても5000mではできなかった。でもそれは私にとって今回必要な試練であって、理不尽な苦しみではなくて私に与えられるべくして与えられた本当に幸せな時間だったと思うのでそういった時間を味わえたことがとてもうれしいです」と思いを口にしました。 この言葉を聞いた解説の小林祐梨子さんは、「前向きさであふれていた彼女のインタビューを久しぶりに聞きました」とコメント。「5000m予選敗退。予選でも思うような1500mができなかった中でよく立て直し、この日を迎えたなと。素晴らしいレースだったと思います」とたたえました。 また「前を向いているベクトルが伝わってきて非常にうれしい気持ち。誰も歩んでこなかった道を進んでいく重圧を感じてきて、走りたかった3分台をもう一度走ることができて、今後はきっと3分55秒あたりを見据えていると思う。未知なる世界に彼女は行ってくれるんじゃないかと見守りたいです」と世界のトップに挑み続ける24歳に言葉を続けました。