メディア初公開!JT関西工場「加熱式たばこ」専用スティックの製造工程に迫る
古き良き日本の風情が漂う京都にあるJT(日本たばこ産業)の関西工場。長きにわたり日本のたばこ産業を牽引してきたJTだが、ここ関西工場では、創業当初からの紙巻きたばこに加え、最新の加熱式たばこブランド「Ploom X」のたばこスティックも製造している。そんな関西工場が今回メディアに初公開された。一体どんな場所で、たばこはどのように作られるのか。愛煙家の記者が取材した。
関西工場で製造するたばこは約220種
京都府京都市は、明治24年に“明治のたばこ王”と呼ばれた村井吉兵衛がたばこ事業を初めて以来、130年以上たばこの歴史が続く由緒ある土地柄だ。そんな京都市にあるJTの関西工場は、1982年に前身の日本専売公社が当時の京都工場、大阪府の高槻工場と茨木工場を統合し、同年9月に誕生させた工場である。工場の敷地面積12万㎡は甲子園球場3つ分で、現在は従業員約320名が働いている。 JTの国内工場は、関西工場、栃木の北関東工場、静岡の東海工場、茨城の友部工場と合わせて4カ所あるが、Ploom Xのたばこスティックを製造しているのは関西工場のみ。メビウス、キャメル、セブンスター等の紙巻きたばこ、さらに期間限定商品なども含めると、約220種類のたばこ製品を作っている。 JR長岡京駅からメディア専用バスに揺られること数十分。窓越しにJTのロゴが見えてきた。工場の建物は、建設から40年は経っているはずだが、白を基調とした建物は古さを感じさせない。 工場内見学に先立ち、工場長の志賀哲也さんが関西工場のものづくりに対する姿勢などを説明。志賀さんは、「たばこは気候の変化などに大きな影響を受けるため、どの銘柄をいつどこで買っても味、特徴を担保できるよう、日々、品質と安全にこだわって作っている」と力を込めた。
新しい「加熱式たばこデバイス」に込められた思い
続いて、新商品「Ploom X ADVANCED」のプレゼンテーション映像が会場内に映し出された。2023年11月21日発売の同商品は、JTの加熱式たばこブランド「Ploom X」の最新モデルである。従来モデルのユーザーからの「吸いごたえが少ない」「メンソール感が弱い」といった声に応えるために、最高加熱温度を約320度まで向上させる「POWER HEATFLOW」という独自技術を搭載し、たばこ本来の味わいを最大限発揮できる仕様にしたという。記者もそうした弱点があると薄々感じていたが、加熱式たばこはそういうものだと諦めていた。 説明に立ったJT 商品企画部 RRP担当部長の山口顕さんによると、「独自のアンケート結果を基に、味わいだけでなく、ユーザビリティやデザインを考慮してリニューアルを行った。特にデザインについては、さまざまな業界・業種のデバイスからインスピレーションを得て、コンパクトで手にフィットするデザインを追求した」とのこと。ブラインドテストも行い、数十にも上るアイデアからデザインを絞り込んでいったそうで、その語り口からも製品への思いが伝わってきた。