面接で「キャリアチェンジの理由」を質問されたときの正しい答え方
面接で必ず聞かれるのが、転職したい理由だ。その質問の仕方には、次のようなバリエーションがある。 ・「転職したいのはなぜですか」 ・「いま勤めている会社を辞める理由を教えてください」 ・「当社で働きたい理由を説明してください」 応募先の企業が聞き出そうとしているのは、あなたが前職で何か問題を起こしたのではないか、辞めさせられたのではないかということだ。また、いま応募している企業でぜひとも働きたいのか、それとも、雇ってもらえるならどこでもいいと考えているのかも、見定めようとしている。「いまの仕事を辞められるなら、次はどこでもいい」と考えている求職者よりも、この会社でぜひ働きたいとアピールしてくる求職者の方が、雇う側にとってははるかに好ましい。 これが、新たな職務や異なる業界へと転職するキャリアチェンジの場合となると、応募先企業は、あなたが新たなキャリアに本気で取り組もうとしているかについて見極めようとしてくる。従業員を新たに採用して戦力になってもらうには、時間もお金もかかる。企業側としては、「求職者が天職を見いだすための実験台」になることは避けたいのだ。 ■「キャリアチェンジへの本気度」を証明できる具体例を用意する 面接で首尾よく採用されるためには、応募先企業がそうした質問をしてくる理由を見越して、先方が不安を払拭できるような具体例を準備しておくことが必要だ。相手は、「なぜ新たなキャリアを目指しているのか」という問いで、あなたの本気度を推し測ろうとしている。従って、新しい職務や業界への本気度を証明できる具体例が必要になる。 仮に、営業職から財務職へとキャリアチェンジを図っているとしよう。この場合は、すでに自分が備えている、財務会計に関連したスキルや能力を披露できる具体例を用意しよう。例えば、現職で扱っている数値やデータ、モデリングやデータ分析などの財務会計スキルを学ぶために受けた講座や研修、財務スキルを生かしたボランティアの経験などだ。応募先企業が求める職務の経験がなく、新卒でもない場合、あなたはまさにキャリアチェンジを目指していることになる。 ■マネジメント職へのキャリアアップでは、管理能力を証明する 同じように、マネジメント職を希望しているけれど、正式にマネージャーを名乗ったことがないなら、自身の管理能力を証明できる具体例を用意しよう。この場合は、未経験なのに要経験の仕事を目指すというジレンマを乗り越える方法を見つけなくてはならない。 直属の部下をもったことはなくても、管理者という立場で取り組んだプロジェクトがなかったか、振り返ってみよう。プロジェクトの最終責任者でなくても、プロジェクト内の一連の作業で、チームや予算を統括する立場だったことがあるかもしれない。また、ボランティアでのマネジメント経験はないだろうか(職能団体で委員長を務めたことや、地域イベントの企画・運営責任者などだ)。大学院に在籍中なら、グループプロジェクトの先頭に立ち、最初から最後まで全体を管理して実践的経験を積もう。