まるで漫画のキャラ!?パリパラリンピックを魅了した「蝶の仮面」の幅跳び選手とは?
2024年8月30日にスタッド・ド・フランスに登場して以来、メディアはアルジョラ・デダイをこぞって取り上げている。その理由は、イタリア人アスリートの彼女が青い蝶の形をした立体マスクを身につけていたからだ。その姿は、他に類を見ないほどの気品にあふれていた。 【写真】気品あふれる金色のマスクを着用したアルジョラ・デダイ! 8月30日にスタッド・ド・フランスでの彼女の写真が、瞬く間に話題になった。女子走り幅跳び(視覚障害T11)の決勝に出場したアルジョラ・デダイは、わずか24時間でパリ2024年パラリンピックの象徴的存在となった。イタリア人アスリートが、競技に必要な目を覆うマスクを青い蝶の形にし、衣装と合わせたことが話題になっている。観客やネットユーザーたちは、「圧倒的なスタイル」と口を揃えて称賛した。表彰台には上がれなかったものの、4位に終わったアルジョラ・デダイの存在感は際立っていた。 43歳のアルジョラ・デダイがこのようなアイマスクをファッションアイテムとして取り入れるのは今回が初めてではない。彼女をずっと応援してきた人たちは、彼女が登場するたびに、毎回予想外の驚きがあることを知っている。実際、アルジョラ・デダイはルールに遊び心を加え、障害を持ちながらも積極的にグラマラスな要素を取り入れている。2024年5月の日本で開催されたパラリンピックでは、彼女はイタリアの色に合わせた金色の羽根のマスクを着用していた。また、大きな人形の目の形をしたマスクや、ビーズで飾られた別のマスクを着用している姿も見られた。
困難な幼少期
アルジョラ・デダイは1981年にアルバニアのティラナで生まれた。アルジョラ・デダイは3歳の頃から遺伝性の眼疾患である網膜色素変性症に苦しんでいる。OMAR(希少疾患観測所)によると、網膜色素変性症は視力が徐々に失われ、最終的には失明に至る進行性の疾患だ。アルジャジーラによれば、彼女は1998年12月の寒い夜にイタリアに移住したという。母国で激しい戦争が続いていたため、交通手段はゴムボートだった。彼女はアルジャジーラに対して次のように語っている。「私たちの旅は、多くの最近の難民の旅が悲劇に終わっている中、悲劇に終わらなかったという点で、とても幸運だったと思います。多くの人々がより良い生活を求めて母国を離れていますが、残念ながら、その目的地にたどり着けない人たちもいます。それは非常に痛ましいことです。」アルバニアでもイタリアでも、彼女は常に差別を感じ、人々の視線に苦しんでいたと説明している。しかし、2016年のリオデジャネイロオリンピックで6位に輝き、その後2017年のロンドン世界選手権で優勝した後、彼女は徐々に自信を取り戻し、独特でファンタジックなマスクを身につけることを決めたと説明している。彼女にとって、自分に誇りを持ち、障害が恥ずかしいことではないと周囲に示すための方法である。また、彼女は数年前からアスリートのエマヌエーレ・ディ・マリノと交際しており、ふたりの間にはレオという名前の子どもがいる。
text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr)